映画「男はつらいよ」(松竹)の“最新作”が来年公開されることが9月5日、発表された。同作の公開50周年を記念してのプロジェクトで、シリーズ全49作を4Kデジタル修復した映像と、新しく撮影される映像を織り交ぜた新作となる。
「主演は1996年に亡くなった渥美清さん。第1作のラストで誕生したさくら(倍賞千恵子)の息子である満男(吉岡秀隆)の人生をもとにした内容になる。『シリーズに出演した俳優すべてに会える』のが売りだという。御年86歳の山田洋次監督が2年前からプロジェクトリーダーとなり、旧作の傷などを修復。10~11月いっぱいかけて撮影にあたるという」(映画ライター)
「男はつらいよ」ファンにとっては朗報だ。考えてもみなかった新作にお目にかかれるのだ。だが、この映画、製作・配給元松竹ののっぴきならないお家事情のせいで生まれたと業界内ではもっぱらの噂だ。
「ここ何年も映画業界は邦高洋低と言われてきました。ですが、牽引しているのは東宝で、2017年度も興収ランキング上位を独占するなど一人勝ち状態が続いています。一方、松竹は興収10億円を突破した作品が6本。トップが『HiGH & LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』の13.4億円。2016年の年間興収が約187億円。2017年が目標220億円をブチ上げたが、約156億円しか稼げなかった」(エンタメ誌ライター)
「男はつらいよ」なき後、頼みの綱だった「釣りバカ」シリーズは三国連太郎が亡くなり終了。山田監督は「家族はつらいよ」をシリーズ化してきたが、成績はかんばしくない。
「毎年盆と正月に公開し、松竹の屋台骨を支えてきた『男はつらいよ』を4Kデジタルリマスター化してでも、儲けなければならない瀬戸際にきている、ということなんですよ」(芸能ライター)
折しも巷では、映画「男はつらいよ」シリーズ誕生40周年記念HDリマスター版DVDボックス新品が半額セール中だが…。
(塩勢知央)