──バンタム級での防衛は5度になりました。今回のルイス(暫定王者)はともかく、それまでの防衛戦は世界ランキング14位、8位、12位、11位と、下位の相手が続いた。これまで3階級での世界タイトル獲得にも、相手の力量不足を指摘し、「楽な相手を選んだ」などとバッシングがあった。実際のところ、どう感じていました?
亀田 ランキングなんか関係ないよ。無名でも強いやつは世界中にいっぱいおるから。
──確かにそうですね。
亀田 今回の対戦に関しては、向こう(ルイス)も暫定王座を防衛したいという事情があって、こちらが何度オファーを出しても待ってくれと繰り返してきたから。ほんなら俺も防衛戦をやると、それだけのこと。
──自分の能力に限界を感じたことは?
亀田 以前はスパーリングをやっていてもダラダラになってしまい、なかなか上が見えず、これが俺のレベルなんかなと思うことはあったよ。俺は17歳でプロデビューして、もう足かけ10年やってるからな。ここがマックスかぁ、大したことないな俺は、と。でも今回の試合で先の視野が開けてきたよ。だから感覚的にはデビュー戦が終わった感じやな。これから俺はピークを迎えるよ。
──現在、同じバンタム級には、WBC世界王者として山中慎介選手(帝拳ジム)がいます。日本人同士の頂上決戦を望む声も。
亀田 山中選手は俺もいい選手やと思うよ。この前(の防衛戦。トマス・ロハスに7回KO勝ち)はすごい倒し方して勝ったし、その前はビック・ダルチニャン(世界的に知名度の高い元2階級制覇王者)にもキッチリ勝ってるし。でも、これは俺の考えやけど、日本人同士であえてやらんでもええんと違う?
世界戦なんやから、他の国の選手とやればいいと思うよ。逃げたと言う人もおるやろうけど、言うのは自由やから。お互いに防衛を重ねて、戦う相手がいなくなったら戦えばええんと違うかな。
──今、「山中対亀田」を組んだら、盛り上がることは間違いないですよ。
亀田 いや、まだまだやな。正直言って俺は世界タイトルを持ってるけど、バンタム級の選手ではないよ。まだまだ(体が)小さい。
──同じバンタム級では前日本王者の岩佐亮佑選手(セレスジム)が「亀田選手には勝つ自信がある」と豪語、挑発しています。
亀田 岩佐選手の試合は見たことないけど、そりゃあ言うたらいいよ。俺もさんざん言うてきたんやから(笑)。って、俺も年取ったんやなぁ(笑)。