その間、時間の経過とともに、とんねるずの気分は天気以上に雲行きが怪しくなっていったという。
石川が黙々と「練習」に励む中、イライラが頂点に達したのは石橋のほうだった。まずは、
「遼サマ待ちってか」
と、軽く不満を飛ばす。だがそれはすぐ、“怒りのフルスイング”へと豹変したのだった。
「オイ、いつまで待たせるんだ。ナニ様なんだよ!」
慌てたスタッフがとりなすも、もちろん石川の練習がそこで終わるわけではなかった。
石橋の咆哮はさらにエスカレート。周囲などおかまいなしに、“憤激のOBショット”を連発する。前出・テレ朝関係者が明かす。
「もう悪口のオンパレードで、『さすがだな、世界に出るやつは!』『勘違いしてるんじゃねぇぞ!』と、撮影が始まるまでスタッフに当たり散らし、どなりまくっていました」
過去3回の収録で築いた良好な関係。そして和気あいあいとした撮影。その記憶が去来し、なおさらに石橋のキレっぷりは激しさを増したのだろう。「アイツは変わっちまったな、悪いほうに」
と、ついには「絶縁」とも取れる決別のセリフを吐いたのである。
こうしたトラブルに、日本プロゴルフ協会関係者は、こう話すのだ。
「今や当代一の大スターですから、テレビ局も石川はVIP待遇ですよ。だからわがままも通る。よくあるのは、テレビカメラや取材陣を待たせることに何とも思っていないこと。例えば、ホールアウトしたらすぐ囲み取材なり、テレビインタビューなりに応じるという暗黙の了解があります。ところが石川は試合後も、『食事や練習をしてからでないと受けない』などと言う。ジャンボ尾崎も中嶋常幸も守っているルールを、石川だけは守ろうとしません」
ゴルフジャーナリストがあとを引き取る。
「普通は相手のスケジュールや都合もあるから、少しでも合わせようとしますが、石川は全て自分に合わせてもらおうとする。1、2時間は平気で待たせますよ。海外でもそれをやるから大ヒンシュクを買う。インタビューは食事が済んでからと対応したら、『あれはナニ様のつもりなんだ』と現地メディアを怒らせてしまったことも。海外では、プロアスリートはマスコミに協力する使命があると考えているからよけいに反発を食らう。そうしたふだんの取材対応そのままでテレビ収録に臨むから、トラブルが起きるんですよ」
一方で、スポーツ番組とバラエティ番組を知る民放局プロデューサーはこんな意見を言う。
「あの番組の担当はスポーツ局。ということは、遼クンはタレントじゃないわけで、石橋が怒ってもしょうがないんです。だから石橋を待たせても問題ない。遼クンのスポーツ選手としての格はNO1。とんねるずとは業界が違うし、同じ目線で比較するほうがおかしい。そもそも毎週の試合で忙しい中、『ぜひお願いします』と言って出演してもらってるんだから。たとえ遼クンでなくても、トップアスリートの扱いは同じ。現役選手はタレント扱いしちゃダメなんですよ」
タレントではなく、プロ選手扱いしていれば、ここまで怒りが爆発することもなかったというのだ。