樹木希林、黒木華、多部未華子の初共演で話題の10月13日公開映画「日々是好日」。9月4日に行われたこの映画のプレミアム試写会には、特別来賓として高円宮久子妃殿下、絢子さまが来場され、原作の森下典子氏、大森立嗣監督、主演の黒木華に加え、鶴田真由、鶴見辰吾も会場に駆けつけた。しかし、樹木は大腿骨骨折の療養中のため姿を見せなかった。
映画は、森下の25年に渡る茶道との関わりから綴られたエッセイ『日日是好日「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫)を映画化したもの。主人公が就職の失敗や失恋、大切な人との死などで惑う中、決まりごとばかりの茶道の真髄に流れる自由の精神や五感で感じる喜びなどに触れ、茶道の大きな世界観の中、成長していく姿が描かれている。その主人公の師匠となって導く茶道教授が樹木の役どころだ。樹木の凛とした姿勢が物語の要であると言っても過言ではないだろう。試写会では、黒木華が、そんな映画の主軸を支えた樹木希林についてコメントした。
「樹木は撮影現場に自分の運転する車で着物を着てさっそうと現れ、一挙手一投足のすべてがカッコよかったそうで、黒木はストレートにどうしてそんなにかっこいいのか聞いたそうです。すると樹木は、周りに自分がかっこいいと思うものしか置かないようにしているからと答えたそうです。しかし、樹木さんのすごいところはそれだけではなく、その潔さにあるんです。ご本人も映画の記者発表の時に、年を取ったからって自動的にいい顔になるわけじゃないと語っていますが、例えば、カンヌで賞を取った映画『万引き家族』の時には、社会から外れた老婆を演じるために髪を長くし、入れ歯を外しています。人間のすさまじさがにじむような映像にするために、髪や爪を伸ばして気持ち悪さを出そうとしたそうです。普通、女優なら少しでもキレイに映ろう、崩してもどこかに美しさを残そうとするものです。樹木さんは役になりきることに徹する潔さがかっこよさにつながっているんです」(芸能ライター)
現在、ガンを患っていることを表明している樹木。ぜひとも病に打ち勝って、もっともっと本物のカッコよさをファンに見せてほしいものだ。
(伊藤その子)