「キングオブコント2018」(KOC)はKOC史上、初めて、9月22日の決勝戦で生放送中にファイナリストが発表されることとなった。準決勝進出者の全32組から、ファイナリストとなるのは、これまでと同じ10組。中には13年度優勝コンビである、かもめんたるや、準優勝者コンビ&トリオも多く残っている。
初年度(08年)から昨年までで、10組の王者が誕生しているわけだが、毎年2000組以上がエントリー。各回の覇者は当然、演技力もズバ抜けており、のちに、メンバーの中から、俳優として開花するケースも少なくない。
「その筆頭は、第3代王者のキングオブコメディ・今野浩喜でしょう。残念ながら、コンビは元相方の高橋健一が15年に女子高生の制服など盗んだ窃盗及び建造物侵入の容疑で逮捕されたことで、解散となりましたが、これが好転して今では大人気役者です。昨年から今年にかけては、米倉涼子主演の『ドクターX~外科医・大門未知子~』第5シリーズ(テレビ朝日系)、嵐の二宮和也主演の『ブラックペアン』(TBS系)ほか、高視聴率ドラマに出演しています」(エンタメ誌ライター)
一方、“憑依型俳優”として唯一無二のポジションを構築したのは、11年度大会のキングとなったロバート・秋山竜次だ。15年、さまざまな職種の架空の人物になりきる「ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル」をフリーペーパーで連載すると、まさかのスーパーヒット。フォトブックを出版したり、CM出演、個展を開催など、幅広くメディア展開した。17年には、スペシャルドラマ「黒い十人の秋山」(テレビ東京系)が放映され、殺人事件の容疑者10人を、秋山1人が演じきった。ちなみに、最新キャラは、「パーソナルヒップトレーナー」で美ヒップの「カリスマ」という「MICO」だ。
「演技力が問われる“KOC”を制しておきながら、別ジャンルで増収した者もいます。今、活躍が際立っているのは、12年度王者のバイきんぐの小峠じゃないほうの西村瑞樹でしょう。去年、『陸海空 地球征服するなんて』(テレビ朝日系)の企画“激安!いいね!アース”で、クズ人間ぶりと高い適応力を見せると、その不可解なキャラがウケて、仕事が増加。さらに、かねてからの趣味だったバーベキューの知識も買われて、月収が200万円になりました」(前出・エンタメ誌ライター)
同じく、本業のお笑いではなく、趣味を仕事につなげたのは、11年大会のキング・ロバートの馬場裕之。人を笑わせることは不得意だが、趣味の料理はプロ並み。料理家としてレギュラー番組を増やし、レシピ本を出版、食の新作発表会の常連となり、テレビCMまでゲット。今では、仕事の9割が料理関連だという。
コント日本一となった王者芸人たち。KOCを制することができれば、本業以外でも売れる道が拓けるのかもしれない。
(北村ともこ)