ユーチューブで発信した1本の動画によって、人生を激変させた芸人たちがいる。記憶に新しいところでは「PPAP」(ペンパイナッポーアッポーペン)のピコ太郎だ。2016年には、ユーチューブの再生回数が全世界のアーティストでトップに輝いている。
そんなピコ太郎に続けとばかりに今、世界でその名を浸透させつつあるのが、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のピン芸人・ウエスPだ。昨年7月、ある動画をツイッターにアップすると、わずか1年でフォロワーが300倍に爆増。10カ国以上からオファーが殺到したという。彼はいったいどんな動画を公開したのだろうか。
「公開した動画は“マッパテーブルクロス引き”です。マッパで横たわり、下腹部のあたりに赤い布を敷きます。布の上にはコーヒーカップ。赤い布の端を扇風機の羽に結びつけ、スイッチを入れると赤い羽根が巻きつけられ最後にはコーヒーカップだけが下腹部に残るというものでした。これをツイッターにあげると、100万人のフォロワーを持つスペインの有名人がリツート。それで一気に拡散したんです」(エンタメ誌ライター)
世界的な公開オーディション番組「Got Talent」のイギリス版「Britain’s Got Talent」に出演。田舎の冴えないおばさんだったスーザン・ボイルを発掘し、世界に通じるトップシンガーにしたことで有名なあの番組だが、ここで、日本人としては初の準決勝進出を決めた。たった1回の出演でも、世界規模の影響力を持っている。
「そもそもウエスPは、渡辺直美やジャングルポケットらと同期のNSC12期生。まったく売れずに年収1000円だったこともあったほど。やぶれかぶれで、テーブルを使わないテーブルクロス引きを、肩や頭、胸部などを使ってやっていたんですが、最終的には“下腹部にコーヒーカップ”で落ちついたそうです」(前出・エンタメ誌ライター)
アジア版の「Asia’s Got Talent」ではおよそ3年前、タンバリン芸でプチブレイクしたゴンゾーがエントリー。ウエスPと同じく、準決勝まで進んでいる。また、アメリカ版「America’s Got Talent」には、松竹芸能のお笑いコンビ・ゆんぼだんぷが出ている。
「Got Talent」シリーズで優勝して逆輸入パターンで大ブレイクする芸人が登場するのも間もなくか。
(北村ともこ)