悲願の初優勝を飾った香妻は、最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップ「リコーカップ」に照準を定めている。
「この大会は、今季の優勝者など出場30人という狭き門であり、香妻の地元の宮崎カントリークラブで開催されるだけに、意欲満々。『リコーで2勝目を狙う』と、笑顔で公言しています」(スポーツ紙記者)
今年は黄金世代たちも「ツアー1勝」を目標に掲げ、このリコーカップ出場権奪取を虎視眈々と狙っていた。
「新垣が5月の『サイバーエージェントレディス』で初優勝してクリアするも、小祝や勝、松田はシード権を確定させながら、まだ未勝利です。その3人の中でも、北海道出身の小祝の目の色が変わりました。母親が札幌市内で経営するスナックが、9月の北海道地震で被害を受けてしまい、『優勝したい。私が補填する』と気合い十分です。それまでは試合会場でも、親友の勝と大好きなK-POPをスマホで楽しんだりと、リラックスしながら本番を迎えていましたが、最近は常に戦闘モードという感じで練習に余念がない」(ゴルフカメラマン)
そんなルーキーの活躍と並行して、人気の実力者たちも目の色を変え、熾烈なシード権争い(賞金ランク50位まで)を繰り広げている。
「ボーダーラインの獲得賞金額は年々上がり、昨年の50位は大山志保(41)で2238万9466円でした。今季は賞金総額が過去最高を更新しているだけに、11月15日から開催の『大王製紙エリエールレディスオープン』までもつれそうです」(スポーツ紙デスク)
現在、賞金ランクの44位以下にはキム・ハヌル(29)や渡邉彩香(25)、木戸愛(28)の名が並び、53位の金田久美子(29)や55位の原(江)が巻き返しに燃える。ゴルフ専門誌編集者が解説する。
「昨季ツアー3勝で賞金ランク4位だったハヌルは、かなり痩せてしまった。以前から結婚願望を口にしていましたが、恋人のことで不安を抱えているようです。一方、16年リオ五輪代表の座を1打差で逃した渡邉は、昨季も賞金ランク36位と伸び悩んでいた。ただしフォームを総チェックし直し、9月の『日本オープン』では初日4位発進で立ち直りを見せました。米ツアーの予選会にエントリーはしているものの、日本の試合に専念することになる」
崖っぷちのキンクミこと金田も、不安のパターの修正でランクアップを狙う。
「バランスディスクに板を乗せ、その上に立って、下半身を静止させ、体幹でパットを打つという地味な練習を繰り返していましたね。夜のクラブ通いも現役だけに、『踊りのキレにもつながるね』なんて声をかけると大笑いしていましたが、自慢の脚線美は地味な努力で養われていることを痛感させられました」(ゴルフライター)
ここからの戦いは、シビアな試合選択でも明暗を分けそうだ。
「試合の賞金総額に大きな差があり、例えば10月12日に開幕する『富士通レディース』や、その2週後の『三菱電機レディス』は総額が8000万円で優勝賞金は1440万円。翌週の『NOBUTA GROUPマスターズGCレディース』は破格の総額1億8000万円で、優勝者は3240万円を手にできる。もちろん連戦できればいいですが、上位陣が休養に充てそうな試合を選ぶか、高額な試合に出場するか、ここからは一発逆転に向けての戦略が大切になります」(スポーツ紙デスク)