就任早々、安倍外交がスタートする。
国際関係のインサイド情報を発信する「インサイドライン」の歳川隆雄氏が、語る。
「安倍総理は最初の外遊先として、1月21日のオバマ政権2期目の宣誓就任式に合わせてアメリカを訪れます。そこで安倍─オバマ会談が実現すれば、安倍総理はオバマの再任後で最初に会う外国の要人になるわけです。日米同盟の再構築が話し合われるでしょう」
だが、問題はいまだ尖閣・竹島問題で揺れる隣国の韓国、中国との関係だ。一部には、こんな声もある。
「魚釣島への武装警官の常駐です。尖閣問題では、東京都知事だった石原慎太郎さんが懸案にしていて、今後、自民党と日本維新の会の連携が進めば、安倍さんに積極的に働きかけていく方向です」(政界関係者)
だが、昨年くしくも中韓は日本と同様、政権が交代したばかりだ。
「韓国に関しては、年明けに自民党の額賀福志郎氏が特使として朴槿惠新大統領のもとを訪れ、『竹島の日』の式典は行わない旨の親書が手渡されるはずです。日韓関係は急速に修復される可能性があります。一方の日中関係ですが、昨年11月に選任された政治局常務委員7人のうち6人が江沢民系の人で、江沢民は反日の人ですから、政治指導部は反日派で構成されている。また3月の全国人民代表大会で中国の国務委員の陣容が明らかになるわけですが、外交担当の国務委員に知日派の戴秉国がなればいいですが、反日の楊潔チ(ヨウケツチ)がなったら、しばらくは日中関係の修復はないでしょう」(前出・歳川氏)
さらに、年末に“ミサイル”を打ち上げた北朝鮮を含め、中東にも火種がくすぶっている。
「北朝鮮は、7月に南北の休戦協定60周年、9月には建国65周年を迎えます。それまで生き残るためには、アメリカとの直接交渉で核のカードが必要となり、核実験を行う可能性は否定できません。また、中東のシリア、イラン情勢も不透明で、イランがホルムズ海峡を封鎖すれば、日本の資源輸入の面で大ダメージとなりかねません」(前出・歳川氏)
とかく、中韓との関係ばかりに目が行くが、モザイクのように目まぐるしく入れ替わる外交情勢にも注意が必要だろう。