政治評論家として40年以上永田町をウオッチしてきた小林吉弥氏。その心に刺さった3大〇〇とは──。
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時には政治家と一緒に酒を飲むこともある小林氏。まずは「カラオケ最強3傑」を選定してもらった。
「枝野幸男元経産相(48)は、全国の合唱コンクールで中学時代に優勝した声の持ち主。ひと頃は、プロの声楽家になることを考えた時期もあったそうです。レパートリーが1200曲。プロの流しで1000曲ですから、流しの域を超えています。持ち歌は都はるみ、谷村新司、そしてシャ乱Qの『ズルい女』あたり」
その枝野氏が「オレよりうまい!」と脱帽したのが、昨年引退した中野寛成元衆院副議長(72)だという。
「この人も関西大学ではグリークラブ所属の本格派。奥さんもママさんコーラスに所属、結婚式に呼ばれた時に夫婦で『愛の賛歌』を歌うと、そのうまさに会場は静まり返ってしまうほど」
3番目が高市早苗・自民党政調会長(51)。
「B’zの『もう一度キスしたかった』、小泉今日子『あなたに会えてよかった』、Winkの曲などが持ち歌で、しかもモノマネで歌います」
最後に、現在ブームが再燃中の「田中角栄元総理(享年75)の3大能力」。
「1つは、先見力のすごさ。30年前に、現在の日本の1000兆円借金状況とネット社会の到来を話していた。人口動態データやコンピュータ情報など、あらゆる角度から各省庁の一級情報を入手していた田中角栄だからこそです。そして超記憶力。官僚の課長以上の経歴は全て頭に入っていた。一度会った人のことは、数年後でもフルネームで名前を覚えていた」
もう1つは、金銭の「10倍哲学」を発揮する能力。
「香典や見舞い金は相場の10倍持っていった。情にあつく、計算も働く。角栄の人心掌握術は情と利にあり、です」