社会

育毛研究100年の歴史をもつ資生堂研究員が語る、スカルプケアの意外な落とし穴

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 薄毛で悩む男性にとって、はじめての育毛シャンプー選びは悩ましい問題だ。数ある商品の中からどれがいいのかは、実際に使ってみないとわからない。しかし、発毛促進には“ある成分”が重要だと知れば、育毛シャンプー選びはきっとわかりやすくなるはず。はたしてその成分とはどんなものか。それを知るにはまず、薄毛になる仕組みを理解することから知っておこう。

 そもそも我々人間の髪の毛は永遠に伸び続けるものではなく、「成長期」「退行期」「休止期」という3つのサイクルを繰り返している。

「成長期」というのは、古い髪が抜けて新しい髪へと生まれる5~6年間のことを指し、毛母細胞が盛んに分裂を繰り返して太くしっかりした髪に成長する時期のことだ。その後「退行期」へ移ると、2週間程度の間に急速に毛母細胞の分裂が衰えはじめ、「休止期」になるとついに毛母細胞は完全に消失。3カ月ほどかけて古い髪から新たな髪へと再び生え変わるというのが一連のサイクルである。

 ところが、加齢やストレスなどのさまざまな要因で、このヘアサイクルの「成長期」が次第に短くなり、新たな髪が「細毛・うぶ毛化」することがある。これがいわゆる「男性型脱毛」のはじまりである。

 しかも、こうした薄毛箇所の毛乳頭細胞を調べると、発毛促進因子である「FGF-7」の遺伝子発現が、後頭部などの薄毛になりにくい箇所にくらべて約半分にまで減少しているというから放っておけない。

 この事態に対して我々はどう対処すべきか。それが前述した“ある成分”アデノシンだ。

 アデノシンは発毛促進因子「FGF-7」の産生を高めるのに効果があることで知られる生体成分。この成分は1915年に発売された養毛美髪剤「フローリン」の時代から100年もの間育毛研究をしている資生堂が研究しており、最近では「アデノゲン スカルプケアシャンプー」のように、アデノシンを配合した育毛シャンプーも発売している。

 アデノシンの凄いところは、毛母細胞の受容体に作用し発毛を促進するほか、毛根の成長期延長作用や、血行促進効果で毛根に栄養や酸素を供給するトリプル効果がある点。この3つの効果で「FGF-7」の発現率を高めることができれば、前頭部や頭頂部も、後頭部のように薄毛になりにくくなる可能性が高まるというのだ。

 さらに見落としがちなのが、シャンプーの方法だという。資生堂の仲西城太郎主任研究員はこう話す。

「指の腹でマッサージするように洗い、汚れや脂をしっかり落としてから洗い流しましょう。また、シャンプー後は、タオルで水気を取りドライヤーでしっかり乾かすこと。頭皮が乾燥しすぎるのはよくないが、湿ったままの状態は雑菌を繁殖させてしまうことにもなるんです」

 アデノシン配合のシャンプーで「しっかり洗い、十分すすいで、きちんと乾かす」。たったこれだけで最新のスカルプケアができるのなら、試してみる価値はありそうだ。

【参考】資生堂アデノゲン https://www.shiseido.co.jp/adeno/

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