フィギュアスケート・GPシリーズ第6戦のフランス杯で、ショートプログラム2位発進の紀平梨花選手が逆転優勝した。GP初出場のNHK杯に続く2連勝を果たし、シリーズ上位6人で争うGPファイナル(12月6日~カナダ)への出場を決めた。シニアデビュー年の初参戦にしてファイナル進出は、浅田真央に続く快挙だ。
それだけではない。紀平は、16歳とは思えない高い能力をフリーの演技で見せつけた。
「時差ぼけの影響で体に力の入らない状態だった紀平は、フリー演技で最初に跳ぶトリプルアクセルが回転不足でした。そこで、次に跳ぶトリプルアクセルとトリプルトーループをダブルアクセルのコンビネーションに変えました。選手は、プログラムを音楽に乗せて体に覚え込ませて、条件反射のように演じられるまで練習していますから、演技途中での変更は難しいんです。それを、瞬時の判断できっちりやり遂げたのには驚きました」(スポーツライター)
大技のトリプルアクセルばかりが話題になる紀平だが、強みはそれだけではない。
「スピンは回転が速く、軸がぶれない。ステップでは、インとアウトエッジが正確に氷をとらえています。いずれもレベル4の高得点です。幼少期からバレエや体操を習っていたせいか、柔軟性と表現力も持ち合わせており、トリプルアクセルは伊藤みどりのダイナミックさと浅田真央の軽やかさを合わせ持った素晴らしいジャンプです」(前出・スポーツライター)
現女王のアリーナ・ザギトワとGPファイナルで直接対決する紀平。万全の体調で挑んで最高の演技を期待したい。