とかく、浅田と比較される紀平だが、意外な共通点も多い。フィギュア関係者の証言によれば、
「フィギュアスケートを始めたキッカケが、浅田は5歳の時に友達に誘われて姉の舞(30)と一緒にスケートを滑ってから。紀平も本格的に始めたのは、5歳の時に神戸ポートアイランドSCのスケート教室に、4歳上の姉・萌絵(20)と参加してからです」
実は、両者ともに美人姉妹なことも話題となっている。推定Gカップを武器に舞がグラビアで活躍する中、萌絵もダンサーとして活動の幅を広げている。気になる姉妹の仲は──。
「浅田姉妹の場合は、お互い競技者の時は不仲で知られ、真央がシニアで頭角を現して舞の成績を抜いた頃には、家の中でも顔を合わせず、口もきかないほどでした。紀平姉妹は萌絵がダンスの道に進んだこともあって、休日には映画を観たりショッピングをしたりして、友達みたいに仲よしです」(フィギュア関係者)
紀平が女子フィギュアスケート界の主役に躍り出るということは、とりも直さず、4年後の北京五輪に向けて新しい時代に突入することを意味する。折山氏はこう予測する。
「16歳で3Aを武器にしてシニアで優勝した意味は大きく、これから世界で勝つための傾向を示す形になりました。女子フィギュアスケートはトリノ五輪の頃から、演技内容はほとんど変わっていません。ノーミスでの戦いが求められていましたが、今後は3Aに挑戦する選手も出てくるだろうし、そういう意味で、紀平選手の活躍は進化の火蓋を開けたのです」
これからは4回転に挑戦する選手もバンバン出てくるという。
一方で、渡部氏は、
「すでにロシアのジュニア勢にはトルソワ(14)やシェルバコワ(14)など、4回転を跳ぶ選手がいます。現段階では、勝つために4回転が必要ではないので、あえて挑戦することはありませんが、北京五輪までに4回転が主流になっていれば、紀平選手も確実に習得しておく必要が出てきます」
紀平はこれまでジュニア時代には練習で4回転サルコウを跳び、今夏の合宿でも4回転トウループの練習を続けていた。それでも4回転を入れると演技全体のバランスが崩れるため、あえて見送っていたのだ。
今後、紀平はいつ新たな武器を「解禁」するのか。12月21日に開幕する全日本フィギュアスケート選手権での凱旋勇姿が楽しみである。