年間被害額は驚異の200億円超。増加するカード犯罪だが、避けようのない“最新手口”が日本に再上陸しようとしている。
外国人犯罪に詳しいブローカー・X氏が明かす。
「5年ほど前に日本で荒稼ぎしたカード犯罪専門のマレーシア人グループが、移民法改正のタイミングで、再び来日を画策してるな。今度は表向きに合法な貿易会社を構え、恒常的に“仕事”していくってよ」
グループはこれまで世界中を転々としてカード情報を抜いてきたため足がつかなかった。が、治安がよく警官や刑務所内の暴力も皆無である日本を安住の地に選んだというのだ。
「飲み屋や裏風俗店で機械を通すスキミングはもう古い。ヤツらは『電波スキミング』の特殊な装置を持っているからな。その装置の半径何メートル以内かにいれば、問答無用でカード情報がダダ漏れだよ。前回も、京都と大阪を3日間回っただけで、3億円を稼いでた。カード情報は他の犯罪グループに売るんだが、1件につき2万~3万円だって。ということは、当時、1万人以上のカード情報が抜き取られたってワケだ。不正利用の際には、店側とグルになって、決済後にカード会社から店に支払われる金を折半してるヤツもいる。“架空売り”だよ。店も売ったテイで在庫が残るから得するんだ」(X氏)
このキャッシュレス時代にありながら、カードを持たないことが唯一の自衛手段とは‥‥。一方、ここに来て、日本の裏社会でも、ある大きな変化が現れ始めた。さる組織関係者によれば、
「11年の暴排条例導入に端を発し、ヤクザのシノギが一気に難しくなった。そこへ15年の山口組分裂騒動や。シノギどころじゃなくなったあげく、絶対とされていた“親と子”の関係も揺らいでしもた。それで組織から抜け出て『フリーランスヤクザ』を名乗るヤカラが激増してるんや」
「親分離れ」のあとも、フリーながら「ヤクザの特権」をフルに利用することで、合法違法を問わず簡単に金稼ぎができるようになる。
「例えば銀行から金を借りるまでもなく、持っている人脈から金を引っ張れる。組員時代の兄弟分にも儲け話を回してつきあいを続ければ、目をつけられず、切った張ったとは無縁のええことだらけなんや。今のブームはネット関係の事業を起こすことらしいで」(組織関係者)
そのネット業界では「ギャラ飲みアプリ」が隆盛を迎える。ネットのグレーゾーンに詳しいジャーナリストが語る。
「『ギャラ飲み』とは、男性が謝礼を払って女性を呼び、飲み会を開くこと。このアプリを利用すると、場所や時間を手軽に指定できます。18年に登録女性が急増し、素人女子大生や元キャバ嬢など、アプリごとに女の子のキャラクターが分かれ始め、利用者も増えてきている。女性は厳しい容姿審査があり、外れのルックスを引くこともありません」
1人あたり1時間1万円程度の利用料は決して安くはないが、直接会ってからアプリを介さない「ウラ交渉」に持ち込めばいい。
「女の子もギャラを中抜きされているので、簡単に応じる。利用者いわく、酔わせてしまえばノーギャラでのアフターも難しくないとか」(ジャーナリスト)
出会い系サイトのような、「売買春の温床」にならねばいいが‥‥。