フレディ・マーキュリーとバンド「クイーン」を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」が、1月6日時点の累計興収84億5716万円、観客動員612万3160人を突破。2018年の公開洋画のトップに躍り出たという。
11月9日の公開からわずか2カ月での快挙。しかもまだまだ数字を伸ばしている。クイーンのファンだった世代はもちろん、クイーンを知らない若い世代にも性別を問わず幅広く支持されているようだ。特徴的なのは、リピート率が非常に高く、ある調査では6回以上見ているヘビーなファンが4%もいるのだとか。
古くからのクイーンファンでもある女性誌のライターはこう分析する。
「クイーンはもともと、日本での熱狂ぶりから世界に火がついたとも言われるほどで、デビュー当時はアメリカでもイギリスでもそう受けていなかったんです。そんな彼らを日本に紹介し、ブームを巻き起こしたのが音楽雑誌『ミュージック・ライフ』の編集長だった東郷かおる子さん。デビューアルバムを聞いて興味を持って記事を書いていた東郷さんは、アメリカでイギリスのバンドの前座だったクイーンを聞いて、パフォーマンスもみごとで、おしゃれなフレディを見て、これは日本の女の子に受けないわけはないと確信したと言います。東郷さんはこの時に偶然、ロジャー・テイラーとレストランで出くわし、記事を書いた雑誌を見せて感激され、インタビューにも成功しているんです」
音楽雑誌から盛り上がったところで開催された日本公演では、空港に2000人ものファンが迎えに駆けつけ、武道館でもファンが殺到。失神する女性も続出する、ビートルズ以来の騒動になったという。
「今回の映画は、フレディの孤独や愛を求める気持ち、スターダムにのし上がり成功した彼の葛藤や満たされない思いなどが細やかに描き出され、音楽映画としてだけでなく、人間として、精神面でも問いかけられることの多い映画です。クイーン世代ではない今の若者たちにも受けているのは、そういう面も大きいのです」(芸能ライター)
まだまだ勢いが収まらないこの映画。このまま行けば、100億円突破もありえるだろう。
(伊藤その子)