1月20日にドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)の第3話が放送され、視聴率11.0%をマーク。初回放送から2週連続で数字をアップさせた。主人公の美術教師(菅田将暉)が生徒を人質に立てこもる学園ものサスペンスの本作では、次から次へと新たな展開が繰り出されるアップテンポ感が魅力だ。
「第3話では警察内に協力者がいることが示され、菅田が拳銃を入手する場面からスタート。序盤から話が大きく動きました。その拳銃を生徒たちに向けたシーンのパニックぶりは、早くも物語のクライマックスが到来したかのような緊迫感にあふれていましたね。そして終盤には菅田が生徒5人を殺害するも、実際には手を下していなかったことが明かされ、積極的なネタバラシに意外性を感じる視聴者も多かったのではないでしょうか」(テレビ誌ライター)
そんなジェットコースターのような「3年A組」を巡り、21年前にヒットしたハリウッド映画との共通点を指摘する声があるという。映画ライターが指摘する。
「サミュエル・L・ジャクソン主演の『交渉人』です。この映画は同僚殺しの疑いをかけられた警官が、真犯人を探すために人質をとって立てこもり、みずから指名した“交渉人”とのやり取りを通じて真相に迫るというもの。それは女生徒を自死に追い込んだ犯人を探すべく、椎名桔平の演じる熱血刑事と交渉する菅田の姿に重なります。他にも警察が突入できないよう守りを固めたり、殺されたはずの人質が生きていた点も共通。『3年A組』では人質となった生徒にも協力者がいることが示されましたが、映画のほうでも人質たちが次第に主人公が無実だと信じるようになり、協力し始めるのです」
ただ、映画「交渉人」では真犯人が判明して主人公の疑いが晴れるハッピーエンドだったのに対し、「3年A組」のほうでは菅田が無罪放免される可能性はまったくなさそうだ。
「参考にする映像作品があったとしても、その筋書きをそのままトレースすることはないでしょう。ただ同じような要素を持つ作品から、今後の展開を予想するという楽しみもあるのではないでしょうか。映画『交渉人』では終盤、真相を追う主人公が立てこもっていたビルから脱出します。それゆえ『3年A組』でも今のところは校舎内で物語が進んでいますが、菅田が校外に出て真犯人を追い詰めるかもしれない。菅田の元恋人がどのような役割を果たすのかもまだ不明ですし、両作品の共通点はもちろん、相違点を見いだすのも楽しみ方の一つとなりそうです」(前出・映画ライター)
次回放送までの間にさっそく、「交渉人」を観て予習(復習?)してみるのも面白いのかもしれない。
(金田麻有)