2月10日放送のドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)にて、水越涼音役を演じる福原遥の見せた迫真の演技が話題を呼んでいる。この第6話では、水泳部顧問の体育教師・坪井(神尾佑)のハラスメントにより退部に追い込まれたと恨んでいる福原が、復讐のために告発動画を撮影して「公開」。だが、実際には美術教師の柊一颯(菅田将暉)が公開を阻止しており、その菅田から愚かな行為を強い調子でなじられる場面がクライマックスになっていた。
顧問の坪井が福原を退部させたのは、福原が死に至る恐れのある不整脈を患っていたからだった。ただ、普通の説得では水泳部をやめないと判断した坪井が、あえて彼氏の存在を退部の理由に仕立て上げていたのが真相だった。その事実を知り、さらに動画が公開されていなかったことを知った福原は安堵の涙を流すも、ここで菅田が「何がよかったんだ!?」と福原の胸倉をつかんで激怒。彼女を教室のドアまで押しやり、ドアをばんばんと叩きながら、動画が公開されていた時の影響について「よく考えたのか?なあ、よく考えたのか!?」と、強い調子で福原を責めたのである。
「ここで福原はかっと目を見開きつつ、恐怖感と悔恨がないまぜになった表情に。涙はもちろん鼻水も垂れ流し、極限の精神状態にあることを如実に感じさせました。その姿には演技とわかっていながら『本気で菅田にビビっているのでは?』と思わせる迫力があり、菅田と福原の両者がギリギリの精神状態でせめぎ合っている様子がありありと感じられたのです」(テレビ誌ライター)
人は涙を大量に流すと、その一部が耳管を通って鼻に流れ出し、さらさらとした鼻水を垂らすもの。この場面で福原は、お笑いの世界で“ダイヤモンド”と称される鼻水を垂れ流すことで演技を越えた緊迫度を醸し出していた。その鼻水は、この「3年A組」で何度となく映し出される重要な“小道具”になっているという。
「1月13日放送の第2話では、宇佐美香帆(川栄李奈)が耳を真っ赤に染めるほどに号泣。その場面でやはり鼻水を垂らしており、その泣きっぷりに迫力を与えていました。ほかにも男子生徒たちが何人も鼻水まみれで涙を流しているほか、誰あろう主人公の菅田も、今回の激昂場面を含めて何度となく鼻水を見せています。この『3年A組』では菅田が生徒たちに放つ熱い言葉が視聴者の心を打っていますが、それは彼らが本物の涙を見せることで、その気持ちが直に伝わってくるから。今回の第6話では福原がその役割を果たしたことで、女優として大きく成長できたことでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
次は誰が美しい涙と鼻水を見せてくれるのか。派手な爆破シーンや取っ組み合いのケンカだけでなく、そんな生理現象も重要な見どころになっているようだ。
(金田麻有)