レスリング・吉田沙保里は、去る1月10日の引退会見で複雑な胸中を明かしていた。「やり尽くしたという思いもあり…」と言いつつも、リオデジャネイロ五輪で金メダルに届かなかった時点で迷いがあったことも明かしていたのである。
しかし、その迷いは、「最強霊長類」を別の方向に覚醒させたようである。
「まずは髪形ですよ。現役時代は邪魔になるからか、編み込むようなヘアスタイルでしたが、会見はふんわりとまとめていました。カラフルなネイル、それから、まつ毛。濃く、長くしていました」(女性誌記者)
こうしたオシャレは、一朝一夕にできるものではない。吉田は昨年末、働く女性を表彰するイベントに招かれ、そこでも“衝撃的発言”をしていたという。
「ネイルとかマツエクとか女磨きもできるようになった。楽しい日々を送れています」
司会役が「東京五輪は?」と、本業のレスリングの話を振ったが、この時は、吉田は「まだわかりません」と返答。同イベントにはファッション誌や女性誌の取材陣も多く詰めかけていたが、スポーツとは縁遠い取材陣の中にも、同じ女性として、すっかり板についた吉田のオシャレ発言に、「引退カウントダウン」を直感した人がいたそうだ。金メダルよりもネイル。吉田は引退会見では、オンナとして「覚醒」したことを、身をもって伝えていたようだ。
(スポーツライター・飯山満)