莫大な借金を負いながらも決してめげず、ついには完済した見上げた芸能人たちもいる。男っぷり、女っぷりを上げたあっぱれな面々をたたえよう。
*
その筆頭にあげられるのがロックミュージシャン・矢沢永吉(63)だ。98年、オーストラリアで事務所の元側近による巨額横領事件に巻き込まれ、35億円の借金を背負った。だが、矢沢はこれをたった6年で返済したばかりでなく、現在、東京都内に15億円の豪邸を建設中なのだという。
「精力的な仕事ぶりですよね。しかも永ちゃんには熱狂的なファンがついているから、コンサートは常に満杯で、グッズ販売やCM収入も返済に大きく貢献している。60代になった今も現役を続行しているところがすごいですね」(芸能ジャーナリスト・佐々木博之氏)
さすがは永ちゃん。自力で苦境を乗り切りBIGな伝説を作ったのだ。
その永ちゃんの80倍以上、桁外れの額で別表の「借金ランキング」でもブッチ切りのトップに立ったのは、千昌夫(65)だ。「歌う不動産王」と呼ばれた千は、バブル崩壊で借金は2853億円にまで跳ね上がったと言われる。
「しかし、02年に民事再生法が適用されて、借金はわずか1億6000万円の返済で許されることになったと言われています」(スポーツ紙芸能デスク)
この説を補足するように、芸能レポーターの石川敏男氏が解説する。
「千昌夫も初めは、毎月の返済額が500万円と伝えられていました。実は同じ時期に、僕の知り合いの不動産屋にも350億円の借金があって、それで毎月100万円ずつ払うということになっていたんだけど、住専問題が処理されて5年ほどしたら、払わなくてよくなったんです。この例を参考にすると、千昌夫も税金投入の恩恵を受けて、借金がかなり棒引きされているのは間違いない」
南野陽子(45)がかつて数億円の借金を背負っていたことを明らかにしたのは、09年のことだった。
アイドル時代に所属していた事務所が、勝手に南野陽子の名前を使って不動産投資をして失敗したツケを負わされ、その返済に20年かかったというのである。
一部で、映画「寒椿」(92年、東映)でのヌードは借金返済のため、との噂も流れたが‥‥。
「当時、ナンノはアイドルとしての先行きが見えなくなっていました。この映画は、大人の女優へと脱皮するための起爆剤となりましたが、出演ギャラそのものは大したことないでしょう」(前出・佐々木氏)
文字どおりの裸一貫というわけではなかったようだが、地道に完済するとは見上げた女である。
94年、羽賀研二(51)は梅宮アンナとの交際が話題になると同時に、2億4000万円の借金があると報じられ、大騒ぎを巻き起こした。だが、2000年代に入ると宝石販売業で大成功し、それを完済したというのだ。
「成功した理由は、おばさんを相手にしたからです。内覧会のような会場には、本当に買いたい貴婦人が集まる。しかも、年配の人はブローチを好むという独自の嗅覚で、何百万円もする宝石のブローチを自分でデザインしたんです。色男にブローチを勧められ『似合いますよ』なんてやられたらねえ。当時の羽賀は、宝石販売で北海道から沖縄まで精力的に回っていました」(前出・佐々木氏)
芸能人が本気になれば、何とかなるものである。