映画「ひみつのアッコちゃん」の主人公は、トラブルを解決する役柄だが、世の中にはびこるのは“悪子ちゃん”ばかり。イジメ問題が浮上したかと思えば、国際問題に乗じて嫌がらせをするヤカラまで登場する始末──。そんな「ひみつ」の実態を本誌が全て明らかにしよう。
9月1日、横浜・日産スタジアムに6万5000人の観客を動員したロックのカリスマ・矢沢永吉(62)。“キャロル復活”のサプライズにオールドファンは歓喜したが、かつての盟友の姿はステージになかった。
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「ウッチャンと一緒にやれてホントうれしいです!」
キャロル時代の大ヒット曲「ファンキー・モンキー・ベイビー」など2曲を元メンバーでリードギター担当の内海利勝(58)とともにセッションした矢沢は、永ちゃん節を炸裂させて喜びをあらわにした。
ベテラン音楽ライターが語る。
「1975年の解散以来、実に37年ぶりのキャロル共演となりました。これまで何度となく再結成の噂はありましたが、結局、実現には至りませんでした。その大きな障壁となったのは、やはりキャロルでは永ちゃんと並び立つ活躍をしたジョニー大倉(60)との確執があったからに他なりません」
伝説のロックバンド「キャロル」は、マッシュルームヘアのビートルズに強い影響を受けた矢沢と、デビュー前のリーゼントヘア時代のビートルズに強い影響を受けたジョニーが出会い、ギターの内海、ドラムスのユウ岡崎ら4人で編成された。
72年にデビューすると火花を散らすような激しいステージが若者から圧倒的支持を受け、瞬く間にスターダムへのし上がった。しかし、メンバーの不仲が原因でわずか3年足らずでバンドは解散。その後、矢沢は大物ソロシンガーとして成り上がったのに対し、ジョニーは役者に転じ成功を収めようとしたやさきに、ホテルの7階から転落事故を起こし、以降、しだいに芸能界からもフェードアウトしていくことになる。
音楽評論家の宝泉薫氏が解説する。
「今では水と油と言われる2人ですが、決定的となった事件は、02年に矢沢がデビュー30周年を記念したビデオを製作したことです。その時、二束三文の金でキャロルの商標を矢沢にだまし取られたとして、ジョニーは週刊誌で激白しています」
その後、ジョニーは積年の恨みを晴らすかのように、
「キャロルは矢沢だけのものじゃない。メンバー4人のものだ」
とし、「WHO IS CAROL」という名のライブや、暴露本まで出版して矢沢の独占的な版権管理にかみついたことから、2人の間には決定的な深い溝ができてしまった。
「これ以前にも、ジョニーはテレビ番組で『俺、矢沢は嫌いだから』と言い放ち、矢沢に300万円を借りた時に証文を書かされたなど、矢沢のドケチぶりを暴露したこともあった。それでもキャロルには圧倒的なファンがいたので、この間何度もキャロル復活は計画されたのですが、最終的に矢沢がキャロルには発展性がないと猛反対し、実現には至らなかったんです」(前出・音楽ライター)
誰もが予想していなかった“キャロル復活”だが、2人限定という変則な形で実現されたのだ。
「永ちゃんも還暦を過ぎてある程度のことは許せる時期が来たというか、見方を変えれば、40周年のライブでキャロルが復活したとなれば、また矢沢伝説が1つ増えることになるわけです。全員での復活でなくてもメディアは扱いを大きくするし、それにギャラだって1人分でOK。これぞ永ちゃん流、ロックで成功する法則ですよ」(前出・音楽ライター)
はたして現在ジョニーはどこで何をしているのか。事務所に問いわせると、
「ジョニーは、ただいま40周年の全国ライブ中で、合間にはレコーディングも行っています」
現在もライブハウスで音楽活動を続けているという。還暦を過ぎてスタジアムライブを成功させた矢沢について聞くと、
「お互いに40周年ということでいいんじゃないですか」
と語るのだが、本人なしでのキャロルの復活を本人が認めているはずはないだろう。前出・宝泉氏が語る。
「この2人は正反対ながら2人ともがあまりにロック的です。片やロックがビッグビジネスになることを証明した永ちゃん、そしてロックには商業性はなく、食えないのが当たり前というのがジョニー。恐らく、今後二度と2人の競演はないでしょうね」
2人のロック魂が恩讐を越える日は来るのか!