1月30日放送の北川景子主演「家売るオンナの逆襲」(日本テレビ系)第4話の視聴率が10.7%で、今回も辛うじて2ケタ台をキープ。
徐々にだが数字はダウンしているが、今回の話は、「サンチー」こと三軒家万智(北川景子)が、謎の多い留守堂謙治(松田翔太)に、住宅販売で負ける、という衝撃の回ではあった。放送開始当初、業界内では、「日テレ版の“ドクターX”」との呼び声も高かったという「家売る──」。どのあたりが「突き抜けられない」理由なのか。人気ドラマでシリーズ化もされた「ドクターX」(テレビ朝日系)と比較して、芸能ライターがこう話す。
「ドクターXでの米倉涼子も北川と同様、孤高で鼻っ柱が強く、並みの男性を上回る仕事のできる女性という設定ですが、米倉のほうはオペに関しては誰にも負けないという強い姿勢を見せる反面、毎回の麻雀卓を囲む場面では、麻雀に負けて可愛い悲鳴をあげる。そんな親しみの持てるギャップを見せる演出が、米倉演じる『大門未知子』をより魅力的な女性に見せていました」
さらに、毎回のように銭湯に通い、限界ギリギリまでの肌魅せする「お約束の艶展開」も、男性視聴者には見逃せない名物シーンとなっていたという。
「それに役柄がフリーの外科医ということで、シリーズごとに未知子が勤務する病院先が移って共演者の顔ぶれも半分以上変わるため、毎シリーズ、新たな登場人物が米倉とどう絡むのか興味をひく作りになっていました」(前出・芸能ライター)
ひるがえって北川演じる万智も、とにかく“完璧”な女性。キレイでいかにも仕事のできそうな颯爽とした見た目、加えて料理も得意ときている。ところが──。
「高校時代にホームレスをしていた、という設定が、常に他人に頼らず、またどんな時でも笑顔を見せない無表情で不愛想なキャラを生み、近寄りがたくさせています。つまり、視聴者が主役の万智(北川)の弱点を見てホッとする場がないんです」(前出・芸能ライター)
ただし、16年に放送された前作「家売るオンナ」では、万智が勤務するテーコー不動産の男性陣の“癒やし”の存在となっていたバーを経営するママ・こころ(臼田あさ美)の活躍が目立ち、それが男性視聴者の癒やしにもなっていたという。
「前作では、こころが毎回のように、仕事帰りの屋代(仲村トオル)のグチを聞いてあげ、マドラーで丸く円を描きながら『ちち~ん ぷいぷい』などと言って魔法をかけるようにしてストレスを軽減させる場面を作ってました。しかし、今作では、そんなシーンは激減。むしろこころ(臼田)が出演せず、そのバーでバイトをする白洲美加役のイモトアヤコだけで店を切り盛りする回まであり、非常に残念がっている男性視聴者も少なくないようですね」(前出・芸能ライター)
もっとも、今回の「家売る──」ではこれまでにストーリー的には、ネットカフェ難民やLGBT問題、働き方改革など、時代を反映した内容を盛り込むなどの工夫はされている。
「ただ、家を買ってもらうための落としどころをどこに持っていくのかが、視聴者にも読めてきてしまっているのかもしれません。また、主要キャストが前作とほぼ変わらないため、毎回登場するゲストの顔ぶれに期待したいところですが、即、視聴率が急上昇するようなパンチを効かせられる人選ができていないのかもしれませんね」(前出・芸能ライター)
いよいよ物語も中盤。今後、どこまで視聴者を飽きさせない驚きの展開を見せることができるか。北川はもちろん、他のキャストやスタッフ陣の頑張りにかかっているだろう。このあたりで、インパクトのある北川の“ニコリ”と笑う顔を拝んでみたいものだ。
(島花鈴)