2月27日に放映された北川景子主演「家売るオンナの逆襲」(日本テレビ系)の第8話の視聴率が10.2%で、今回もギリギリ2ケタ台をキープ。物語も終盤戦となり過去の視聴率を振り返ってみると、初回が12.7%、その後の最高視聴率は12.9%で、「逆襲」の放送開始より毎回必ず10%台を記録している。実は、約2年前に放映されたシリーズの第1作である「家売るオンナ」では、10%を切ることもたびたびあった。
なぜ、ここまで「逆襲」での視聴率が安定しているのか、ある業界関係者に話を聞いた。
「今回の『逆襲』でも、三軒屋万智(北川)の勤務先がテーコー不動産という設定は同じ。さらに勤め先の出演者も、今や月9女優に上り詰めた新木優子に代わって、新人2人が登場した以外にはほぼ変わっていません。やはり勝因は、松田翔太演じる万智のライバルにしてフリーの不動産である留守堂謙治という存在を作ったことでしょう。毎回、ゲスト出演者のために物件探しを手伝うという1話完結のストーリー展開ではあるものの、謎多き留守堂の正体が知りたい、という好奇心が毎回の視聴率を安定させています。他にも、万智が課長である屋代(仲村トオル)と結婚したことで恋愛の要素を作ったことも大きい」
そして、白洲美加役のイモトアヤコの存在も忘れてはいけない、という。
「北川演じる万智が、いつどんな時でも慌てず騒がず、強気で行動する。まるでサイボーグのようなキャラ設定なのに対し、仕事も家事も育児もすべての面において適当、他人任せ、努力嫌い。テーコー不動産を辞めた後でも、しばしば万智に呼び出されてコキ使われていますが、その北川とは真逆の、“ダメダメ人間”の存在を作っていることが、むしろ視聴者を安心させ共感を得ているのではないでしょうか」(前出・業界関係者)
そんな白洲に扮するイモトは「世界の果てまでイッテQ!」(日テレ系)などでの体当たり取材や異常に太いマユ毛メイクなどで“ヨゴレ”のイメージが強いものの、実は自称“成海璃子”と言うだけあって、素顔はけっこう美人と評判だとか。
「第7話でのボウリング対決のシーンでも、ボウリングど素人の万智に、ボウリングだけはプロ並み、という設定の白洲が投げ方のコツを教えるというシーンがありましたが、“ボウリング界のアイドル”と称される本間成美をも凌ぐほどに、全体的にピンク色でフリルやリボンなど装飾のついた衣裳と、ポニーテール姿に、視聴者から“可愛い!”と絶賛の声が挙がっていました。好きな女芸人やタレントランキングでは、常に上位にいるイモトですから、同じく人気お笑い芸人である渡辺直美のように、将来主演ドラマが舞い込むことだってありえます。昨年10月クールの『下町ロケット2』(TBS系)で魅せた天才技術者役も、高校時代に、学園祭で劇の主演女優賞を獲ったという演技力を十二分に発揮していました。人気のドラマシリーズの『ドクターX』(テレビ朝日系)で、勝村政信主演のスピンオフドラマ『ドクターY』が作られていましたが、『家売るオンナ』シリーズも、イモトのスピンオフドラマを作ったらおもしろいんじゃないですか。いずれにせよ、『家売るオンナ』の今後のシリーズ化にも欠かせない人選でしょう」(前出・業界関係者)
3月6日放送の第9話より、留守堂の万智への愛情が憎しみへと変わるという展開で、興味深い。さらに最終話・10話では、テーコー不動産の社長役として舘ひろしがゲスト出演する。これは北川たっての希望だったようで、舘ひろし×仲村トオルの「あぶ刑事」コンビが復活とあって、今から心待ちにしているファンも多く、視聴率にも期待が持てそうだ。
(島花鈴)