映画「失楽園」の主役を川島からさらった黒木は86年、渡辺作品が原作の映画「化身」で主演デビュー。大胆な全裸を披露している。前出・文壇関係者が話す。
「渡辺氏のもとにさまざまな女優の売り込みがあった中から黒木を見初め、指名したと言われます。主役を射止めるにあたっては、もちろん大人のつきあいもあったと文芸界ではもっぱらでした。『忘れぬ理由』(87年)と『遠き落日』(92年)で主演した三田佳子(71)もまた、渡辺氏との関係が取りざたされましたね」
川島以降は女優との噂が聞かれなくなったが、
「一説には、女優にはもう懲りたからだと。その後の『活動場所』はもっぱら銀座のクラブ。漫画家の本宮ひろ志氏とホステスを取り合ったという話も聞きました」(前出・文芸誌編集者)
男としてある意味、うらやましさすら覚える絶倫人生だが、意外な一面を明かすのは文芸評論家である。
「東野圭吾氏は『容疑者Xの献身』で直木賞を受賞しましたが、それ以前に何度も候補にあがりながら落とされている。その『首謀者』は(選考委員の)渡辺氏だと言われています。女性関係のエキスパートとの自負がある渡辺氏にとって、二枚目で、わざと銀座で遊んでみせたりしていた東野氏は同じ『ジャンル』に乗り込んでくるのでは、と恐れる存在だったのです。だから気分で落としていた、と」
いささか小心なエピソードだが、出演するテレビ番組に目を向けると、まだまだお盛んな姿が。
09年5月に生出演した「サンデープロジェクト」(テレビ朝日系)では、小川彩佳アナ(27)に、
「ステキですよ。うなじからこのへんも」
と、胸元から下腹部にかけて手をなで下ろすしぐさで「口説いた」うえで、
「今度メールを送ります」
と積極的にアプローチ。
かと思えば11年12月放送の旅番組「旅の香り」(テレ朝系)では野際陽子(77)と北海道各所を巡りつつ、
「今も美しい。野際さんがどうしたら本当に彼女になってくれるかなぁ‥‥」
だが、前出・文壇関係者は最近の渡辺氏について、次のように言って苦笑する。
「銀座では、彼とつきあうと体調を崩したり病気になるなど『不幸になる伝説』が出回り、近づこうとする女性が少なくなった。実際、体調不良で辞めたホステスの就職先を探すなど、面倒見はいいんですがね‥‥」
されど渡辺氏は「私の履歴書」にこう書くのだ。〈正直いって、わたしは女性が好きである〉
何ともご立派なこと─。