パ・リーグにも、補強資金を惜しまなかった球団がある。メジャー通算434本塁打を誇る超大物・ジョーンズ(35)と推定3億円で1年契約した楽天だ。
しかし、こんな声も聞こえてくる。
「ジョーンズは、98年から07年までゴールドグラブ賞を獲得した守備の達人だったんです。コンスタントに30本前後を打つパワーはありましたが、05年に突如51本塁打を放ってホームランキングとなり、その後は肉体的衰えがあるのか、07年以降、下降線をたどっている。ここ5年は20本にも到達せず、全盛期は過ぎています」(メジャー担当記者)
日本での復活が待たれるが、もう一方のマギー(30)も、巨人と競り合って獲得した強打者だ。
「ブルワーズ時代の10年に、104打点を記録した(チャンスに強い)クラッチヒッターで、もともと速球にも強いのですが、変化球への対応がうまいので、日本で活躍する要素は多い」(前出・福島氏)
ソフトバンクも大物メジャーリーガーを集めて、首位奪回を目指している。
メジャー通算108勝のパディーヤ(35)と昨年のメジャー・オールスターにも出場したラヘア(30)は前評判どおりの力を発揮するだろうか。
「パディーヤはこれまで、故意四球やミーティング不参加など素行の悪さが問題視されてきました。おまけに気性が激しく、気分しだいでピッチングが変わるため、使うほうは計算しづらい投手です。もちろん力はありますが、1年間まともに働く考えがあるのか‥‥。ラヘアも昨年、カブスの4番として4月は3割9分と大活躍しましたが、5月以降は2割3分1厘。これが本来の姿で、左投手にもめっぽう弱く、対左はシーズンでたったヒット3本しか打てず、0割6分3厘という体たらくでした。多くは期待できないと思います」(前出・福島氏)
博打とも言えるほど補強を行わなかった西武には、こんな意見が出ている。
「旬の過ぎたシコースキー(38)を2年ぶりに復帰させたかと思えば、広島が見切りをつけたサファテ(31)を獲ってくる。親会社の株式上場が迫り、リスクの少ない選択しかしていないように見えます」(前出・スポーツライター)
そんな風評に反して、サファテが今季にかける意気込みは半端ではないという。
サファテは一昨年に広島で35セーブをあげたが、終盤に鼠径ヘルニアで離脱し、昨年はシーズン途中でミコライオに守護神を譲り、オフに解雇されている。
「サファテは、ヘルニアが公傷扱いされず、昨年の不調がその影響だと考慮されなかったことに激怒している。実は同一リーグへの移籍を希望していたほどで、完治を確信している現在は『交流戦で投げたい!』と打倒広島に目をギラつかせています」(遊軍記者)
古巣への怨念は、過去にも多くのドラマを生んできたものである。さまざまな事情を抱える各球団の新戦力たちには、予想どおり、あるいは予想を覆す活躍を見せてほしい。