板東英二がテレビから姿を消し1カ月がたった。制作現場では収録済みの番組から出演シーンを「消す」編集作業に追われ、脱税の話題もタブーという状況が続いている。板東本人は依然、雲隠れしたままだが、その金まみれ人生には、島田紳助をはじめとしたさまざまな有名人とのつながりがあった。
板東英二(72)がテレビから忽然と姿を消したのは、1月12日放送の「世界ふしぎ発見!」(TBS系)だった。レギュラー出演していた板東だが、その日の画面に映ることはなく、解答が羅列される画面も含め、その存在はみごとに“ボッシュート”されていたのだ。TBS関係者が証言する。
「あとの回で、板東さんがトップ賞を獲るシーンがあったのです。画面から消すことまではどうにか編集できましたが、最後のシーンだけはどうにもならず、受賞者を替えて撮り直しました。観客がゼロである不自然な場面になってしまいましたが‥‥」
仕事は質より量と割りきり、時に名古屋と東京を1日に2往復していた板東。早く目的地に着きたくて新幹線の中を歩いたこともあるほどだったという。ロケ番組ではディレクターが撮影の段取りをしている時に、次の仕事のために勝手に撮影を仕切って終わらせることもあった。芸能ジャーナリストの二田一比古氏はこう解説する。
「そのやり方が板東さんらしさを生み、視聴者に浸透していました。気取るわけでもないし、出演する番組のプロデューサーへみずから挨拶にも行きます。スタッフの受けは悪い人ではありませんでした」
テレビ・ラジオなど7本ものレギュラーを持つ人物の脱税事件だが、その後、ワイドショーなどで今回の一件が報じられることはなかった。芸能レポーターの石川敏男氏も首をひねる。
「某テレビ局のワイドショースタッフに、『うちの番組は板東さんのニュースを扱えない』と言われました。編成から『扱うな』と言われたというのです。視聴者が知りたいニュースを伝える、というワイドショーの役割を無視する姿勢には疑問を感じます」
これについて企業法務・危機管理に詳しい、高島総合法律事務所の高島秀行弁護士はこう指摘する。
「自分の利益のために番組で取り上げず、有利に扱うのはコンプライアンス的に問題があるでしょう。事実であれば、報道機関としての役割を放棄しているのではないでしょうか。報道機関は国民の知る権利のために取材や報道の自由が認められているのであって自分の利害の関係者に甘くするというのはやってはいけないことでしょう。偽装工作により納税を免れ重加算税を課せられたことから今回の行為が悪質であることは明らかです」
金への執着から周囲に判盗円爺(ばんどうえんじい)と揶揄されるようになった板東は、当初はせっせと蓄えた札束を裸で持ち歩いていたという。が、そのうち輪ゴムで縛るようになり、いつしかネットポーチに入れるようになった。それを見かねたある人物が、板東に自分とペアのルイ・ヴィトンの財布をプレゼントした。それこそが島田紳助(56)だった。