菊池雄星がシアトルマリナーズに移籍し、DeNAの筒香嘉智、広島・菊池涼介もオフの契約更改の席で将来のメジャー挑戦の意志を明らかにした。ソフトバンク・千賀滉大もメジャー志望を口にしている。楽天・則本昂大も、米球界と東京五輪を天秤に掛け、迷っているという。
「メジャースカウトは巨人・菅野に熱視線を送っています。このまま筒香たちが渡米してしまえば、侍ジャパンは東京五輪で苦戦を強いられることになります」(ベテラン記者)
3月9、10日に侍ジャパンはメキシコ代表チームと強化試合を行う。稲葉篤紀代表監督は若手中心のメンバーで臨む意向で、大砲候補・日本ハムの清宮幸太郎への期待も明らかにしていた。
「今年11月開催の『プレミア12』ではベストメンバーを組む予定ですが、主力選手の言動通りなら、筒香、菊池、千賀は日本代表としてのラストゲームとなります。メキシコ戦を若手中心で臨むのは次世代の新しい核となる選手を見つけるため。もっとも、東京五輪まで、さほど時間はありませんから、若手にとってはラストチャンスとなりそう」(前出・ベテラン記者)
その清宮にしても、米球界挑戦の時期が前倒しされるとの見方もある。大谷翔平はプロ5年目のシーズンを終えて渡米したが、日ハムは「出る者、追わず」の姿勢だ。また、清宮はプロ1年目から米アリゾナキャンプを経験しているため、大谷よりも早くメジャースカウトの視察を受けている。「成長の度合い」を視察されているので、「レギュラー」ではなく、「通用する」となった時点で、米球界側がアクションを起こしてくるというのだ。
「筒香、菊池らを喪失したら、東京五輪に招集される代表メンバーのレベルダウンは必至」(球界関係者)
ポスティングシステムも事実上のFA宣言となったことで、日本のトップ選手の流出はさらに加速する。何かしらの対応をしなければ、「東京五輪で清宮が見納め」なんてことにもなりかねない。
(スポーツライター・飯山満)