左の先発がゼロというイビツな編成になった裏には、西武・菊池雄星(25)が昨秋の強化試合参加を拒否。このことを根に持つ小久保監督があえて外した経緯もある。結果、日本ハムから6人、ソフトバンクと巨人から3人ずつ、という偏ったチーム編成になったのにはこんな事情が絡んでいた。
「小久保監督の絡みでソフトバンク、興行をするのが読売ですから、巨人が協力するのは当然です。NPBは侍ジャパンを独立して活動させるため、NPBエンタープライズという別会社を作りましたが、その立ち上げに日本ハムのトップが関わったことで、これも協力せざるをえない」(NPB関係者)
いずれも積極的な様相はなく、とても12球団が力を合わせたチームとは言えないのである。しかも15年のプレミア12の失敗で露呈した、小久保監督の迷采配、能力不足への不安が残る。
「抑えの楽天・松井裕樹(21)が打たれると、行き当たりばったりで楽天・則本昂大(26)を使った。慣れない役割で回またぎをさせるという采配ミスで、韓国にやられました」
昨年11月の強化試合(対メキシコ、オランダ)でも弱点が明らかになる。
「権藤博投手コーチ(78)は球数制限などのある国際試合経験はまったくありません。WBC公式球に慣れる技を教えることもできず、フィットしたのはヤクルト・秋吉亮(27)1人だけという体たらくでした。セーフティスクイズを失敗するなど、チーム内の連携プレーのサインも徹底されず、バックホーム態勢が必要な場面でもシフトを敷かない。監督ら首脳陣の経験不足です」(スポーツ紙デスク)
内部崩壊が近づく侍ジャパンの目玉、日本ハム・大谷翔平(22)の起用法もあやふやなまま。1次ラウンドのキューバ戦の先発は決定しているが、翌日のオーストラリア戦、次の中国戦で打者出場はあるのか。2次ラウンド初戦は中4日になるが、無理をさせるのか、第2戦に万全の中6日でいくのか。登板の合間はDH起用するのか、代打でスタンバイするのか。何も決まっていないのである。
「史上最弱の侍ジャパンだとヤユする声もあり、アメリカでの準決勝に進めず、敗退する可能性が高い。すでにそれを見越して、『なぜ小久保ジャパンは負けたのか』という連載の取材準備に入っているスポーツ紙もあるほどです」(スポーツライター)
と同時に、WBC終了時点で契約が切れる小久保監督の「次」を巡る争いが早くもスタート。
「次期監督は20年の東京五輪監督となる。早くも自薦他薦の名前が飛び交っていますよ」
こう明かすのは、内情を知る球界関係者である。
「NPB内では当初から『(小久保監督が)自分から早く辞めてくれないかな』という要望が上がり、具体的に『原さんに代わってほしい』との意見が多く出ているのです」
もちろん、第2回WBCの優勝監督、原辰徳氏(58)のことだ。