今オフ、窮地に立たされた侍ジャパンを救えるのは、清宮幸太郎しかない。
「今年10月下旬に開催されるU-23野球・ワールドカップですが、開催地のニカラグアが政情不安を抱えているため、外務省が『レベル1』の渡航注意を伝えてきました。情勢に変化があれば、NPBは不参加を表明せざるを得ません。また、大会延期となれば、11月9日から予定していた日米野球とスケジュールがぶつかってしまいます」(球界関係者)
NPBは大会本部に確認を取っているが、「選手の安全が最優先」とし、日程通りに大会が行われたとしても不参加ということになりそうだ(21日時点)。侍ジャパンはNPBの重大な資金源でもある。また何よりも、「対世界」で、若手に経験を積ませていかなければならない。
「U-23で世界一になって東京五輪に弾みを付けるという計画を改め、日本国内で開催される日米野球を盛り上げ、そこで若手を積極的に起用していくことになりそう」(前出・球界関係者)
U-23不参加、もしくは中止となった場合、その暗い影は東京五輪の野球・ソフトボールにも影響しかねない。そうなると、NPBが前面に押し立ててくるのは、間違いなく、清宮幸太郎だ。稲葉監督は日ハムのスポーツコミニュティオフィサーの肩書もある。“本籍”のある日ハムも稲葉監督を助けたいと思っているはずだ。清宮が侍ジャパンに派遣されれば、日米野球の注目度も高まる。U-23不参加の暗い影も払拭されるだろう。侍ジャパンの窮地と同時に清宮の存在が再注目された。清宮は稲葉監督の命運まで背負わされてしまったようだ。
(スポーツライター・飯山満)