先の球界関係者は「強硬派」としても名高く、ここ最近も侍ジャパンの監督任命権に大きな力を持つNPBの有力幹部や日本球界の大御所たちと意見交換を繰り返し行っているという。すでに原監督の侍ジャパン復帰が具体的に進んでいるようなのだ。
就任前にコーチ経験すらなかった小久保監督とは違い、原氏には巨人監督として通算12年でリーグ優勝7度、3度の日本一に輝いた数々の実績がある。何より09年に侍ジャパンを率いて第2回WBCで世界一となり、IBAF(国際野球連盟)から世界最優秀監督にも選ばれているのだ。
11年10月に常設化が決まって以降、侍ジャパンは原則的に専任監督を選出する方向性で固められている。12球団で指揮を執る監督との兼任は認めず“二足のわらじ”を履かせないという条件にも、今季限りで巨人の監督を退任した原氏は合致しているのだ。
一方、侍ジャパンの次期監督として白羽の矢が立てられている原氏当人にやる気はあるのか。同氏に近い球団関係者は「間違いなく原さんは侍ジャパンの監督をやりたがっていますよ」と断言し、こう続けた。
「プレミア12で戦っていた侍ジャパンの試合中継を原さんは全てチェックしていた。小久保監督の采配にイライラが募っていたのか、周囲には『思わず何度か舌打ちしちゃったよな』と本音を漏らすことまであったそうです。“自分だったら、もっといい采配ができる”という姿勢が見え隠れしていますね」
11月25日に行われた「NPBアワーズ」でコミッショナー特別表彰を受けた原氏は、10月19日の監督退任会見以来、約1カ月ぶりに公の場に姿を見せた。そして、この会場で注目すべきツーショットが実現。なんと渦中の小久保監督と原氏が顔を合わせ、何やら言葉を交わす場面が見られたのである。両者をよく知る巨人の有力OBが明かす。
「この場で原は、小久保から“侍指揮官の先輩”として助言を求められたが『今の監督はお前さん。俺がとやかく口を挟むのは筋違いだし、よくないよ』とやんわり断ったらしい。ちなみに小久保は現役時代、06年の1シーズンだけ当時監督に復帰したばかりの原と巨人で同じユニホームを着ていたが、この頃から両者の関係は決して良好とは言えなかったんだよ」
同年の小久保は古傷を悪化させて長期離脱するなど精彩を欠き、シーズン終了後のオフにホークスへFAで移籍復帰しているのだ。
「この行動に原は“最初から古巣復帰が頭にあったから、ジャイアンツのラストイヤーでは気持ちが入っていなかったのではないのか”と不信感を募らせたと言われている。原が小久保から救いを求められても何の助け舟も出さずにピシャリと突っぱねたのは、過去の因縁を今も引きずっている何よりの証拠だろう」(前出・巨人有力OB)