大坂なおみがサーシャ・バイン氏とのコーチ契約を解消した。大坂自身がネット上で明らかにし、バイン氏も「自分をチームの一員にしてくれてありがとう」と返しており、アメリカの契約社会にありがちな任期切れかと思われたが、そうではないらしい…。
「世界ランキング1位になったことで、その次の目標として、ネットプレー、第2サーブの改良など技術的な課題を克服したい、と。それに適したコーチに乗り換えるようです」(専門誌記者)
だが、一部メディアでは全豪オープン中、バイン氏と20分弱の練習しかしていなかったこと、練習後にアドバイスをしようと駆け寄るのを拒んだ目撃談も報じられていた。感情的な衝突もあったようだ。
「全豪オープン中の大坂は、全米オープンを制した時と異なっていました。今回は日本テニス協会のスタッフも乗り込み、対戦相手のデータを提供し、『日本の大坂』を海外に強調しているようにも見受けられました」(前出・専門誌記者)
大坂の二重国籍問題を重ねて見る向きもないわけではない。アメリカと日本の両国籍を取得しており、世界テニス協会が定めるルールからすると、大坂は東京五輪も「日本選手」となるが、アメリカ流出の懸念が完全に払拭されたわけではない。こうした事情から日本協会が大坂との距離をより親密にしようとし、全豪オープンを後方支援したとされている。そのため、バイン氏が居場所を失った可能性も指摘されていた。
「2月17日からのドバイ選手権ですが、大坂は『コーチなし』で臨むことになりそう。後任は数人に絞られたようですが、最終的な決定はまだ」(特派記者)
試合中、バイン氏がやさしく励ますシーンが好感を持たれた。大坂が飛躍的な活躍を見せ始めた頃、日本では部活動の暴力的指導が取り沙汰されていただけに、2人の関係をうらやむ声も聞かれた。日本協会がこの関係に割り込んできたとしたら、ひと波乱起こりそうである。
(スポーツライター・飯山満)