第三者にジャッジを頼むという意味なのか?2月20日、日本高校野球連盟(以下=高野連)は理事会を招集し、試合中における「投手の球数制限」の是非について議論する。100回目のメモリアル大会となった昨夏の甲子園大会で、金足農・吉田輝星投手(現・日本ハム)が881球を投じ、「投げすぎ。炎天下での登板過多は問題」と、日本中で議論が巻き起こった。
こうした世論に対し、いち早く対応を見せたのが、新潟県の高野連だった。今年の春季大会に限定してだが、「一人の投手が1試合で投げられる投球数を100球に制限する」と決めたのだ。
「新潟県の決定に対し、高野連本体は否定的な見解を持っていると伝えられています。でも、『審議する』ということは、このままではいけないと思っているのでしょう」(スポーツ紙記者)
新潟県も今春に限定したのは、制限を設けることで試合に影響が出るかどうかを確かめ、改めて議論する必要があると判断したのだろう。球児の健康に配慮するのは当然だが、投球数に制限を設ければ、投手の少ない高校、部員数そのものが少ない公立校は試合が成立しない危険性もある。したがって、「今回の理事会では何も決められない」と見る向きも強まっている。
こうした高野連が抱えている問題に、夏の参議院議員選挙のウワサが重なってきた。
「元貴乃花親方の花田光司氏が噂通り出馬すれば、当選は確実。その後、文教委員会入りして角界を外部から叩くという図式になります。角界だけではなく、部活動の暴力指導問題にも着手しなければならないので、その一環で甲子園大会の球数制限にも触れることになりそうですよ」(政治部記者)
“野球素人”の花田氏が強行ジャッジを下すことになりそうだ。高野連は角界同様、クセの強い団体とも言われている。花田氏は甲子園の連投問題を解決できるかどうか。その前段としての参院選の出馬があるのかも含め、今後の展開が注目される。
(スポーツライター・飯山満)