春のセンバツ高校野球で史上初の中止が決まった。高野連が3月11日の臨時運営委員会で決定したもの。高野連では無観客試合を前提に動いていたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止や政府の大規模イベント自粛要請などを鑑み、中止を決断したという。
その判断に異を唱えたのが、「とくダネ!」(フジテレビ系)のコメンテーターで社会学者の古市憲寿氏だ。3月12日の放送で古市氏は、専門家会議が避ける場所として挙げているのは密閉空間、人が近くにいる、近くでしゃべるといった3条件だと指摘したうえで、センバツに関しては「意外に大丈夫なんじゃないかなという気もするんですね」と語ったのである。
「古市氏は『野球って人が離れてプレーするものだし、観客席の工夫でなんとかなったんじゃないかなって気がするんですね』とコメント。そのうえでセンバツ中止について『今、自粛ムードに流され過ぎているのかなと、どうしても思っちゃいますね』と批判していました。この発言はネットメディアでも取り上げられましたが、その言葉に大きな反発が寄せられているのです」(スポーツ系ライター)
ネット上では「古市、野球のことなんて何も知らないだろ!?」「運動とかやったことないんだろうな」という指摘が続出。しかし野球の知識や運動経験が、なぜ問題になるというのだろうか。
「古市氏の発言からは学校スポーツの現場を何も知らないことがうかがえます。まさか古市氏は、選手たちが三々五々バラバラに集まってきて、ミーティングもせずに試合をして、またバラバラに帰っていくとでも思っているのでしょうか? 近所の草野球ならともかく、全国のチームが甲子園に集まってくる高校野球では、その移動や宿泊はまさに専門家会議が指摘する3条件そのもの。古市氏の脳裏には試合が行われる甲子園球場のイメージしか浮かばなかったのかもしれませんが、実際には移動のバスや宿舎での濃厚接触こそが、感染防止の観点では最も懸念される状況となるのです」(前出・スポーツライター)
今回の第91回センバツは3月19日~31日に開催される予定だったため、決勝戦に進むチームは13日間にもわたって集団生活を送る可能性があった。近隣のチームなら宿泊しないという選択肢もあるが、移動のバスは必須。いずれにせよセンバツの場が“クラスター”になる恐れは十分に高かったのである。
「古市氏はかねてより運動が大嫌いと公言しており、18年10月14日の『マルコポロリ!』(関西テレビ)では『スポーツの話題はわからないんで、わからないと言います』と語っていたことも。それならば今回のセンバツ中止に対しても『わからない』と言うべきだったのではないでしょうか」(前出・スポーツライター)
輝かしい経歴を持つ古市氏だが、畑違いのジャンルでは“的外れ”と批判される発言が出てしまったようだ。
(金田麻有)