どこぞのフードバラエティ番組は、過去の栄光だけではパワーが足りずにはやばやと打ち切りが決まった。一方のプロ野球界では、鉄人たちが40を越えてなお輝き続けている。いつ果てるとも知れない元気なベテランたちの「ド根性キャンプ」をレポートしたい。
実に8年ぶりの日本球界復帰となった楽天・斎藤隆は、2月14日で43歳を迎える。
キャンプは二軍スタートだが、2月3日の初ブルペンからミット目がけて快音を響かせ、健在ぶりをアピールしたものである。
そのブルペンで、見守る報道陣の携帯電話が着信して鳴り響くアクシデントが発生した。
「鳴らしてしまった記者が、なかなか音を止められず、その間、投球も中断となった。怒声が響くのではと、その場は凍りつきました。ところが斎藤は、『皆さん、携帯電話だけはオフにしといてくださいね』と穏やかな対応でした。そればかりか、キャンプ地・久米島が少し寒かった日には、場を温めようとダジャレを披露して『香港に雪が来ん来ん‥‥。笑ってるの俺だけじゃん。さむ~』などと言って周囲を和ませています」(スポーツライター)
これがメジャー帰りのサービス精神なのだろうか。
「『最初の3日間で去年の1年分“お疲れさま”って言ったよ』と日米のコミュニケーション文化の違いを口にして笑ってもいましたね」(スポーツ紙デスク)
ぜひとも、メジャー通算21勝84セーブ40ホールドの実力も披露してもらいたい。
斎藤とともに98年の横浜日本一の中心だった、プロ野球解説者の野村弘樹氏が言う。
「表情を見るかぎり、状態はいいと思います。同い年ですが、アメリカから帰ってきて、地元・仙台でもうひとふんばりしようという姿勢は見ていてうれしい。日本球界でのブランクを不安視する声もありますが、日本でのほうが長くやってたんですよ。実戦感覚が戻れば問題ないでしょう」
続いての現役最年長、中日・山本昌(47)も、まさに衰え知らず。
ドラ番記者が話す。
「オフからフォーム改造に取り組んでいるのですが、しっくりきているようで、『過去最高速が出る』と自信を見せています。もっとも、ストレートで通常140キロに届かない山本昌ですから、リップサービスの側面はありますが、それだけ好調なのでしょう」
30年目のシーズンに向け、視界良好のようだ。
「本人は、故浜崎真二が持つプロ野球の最年長出場記録48歳10カ月の更新にやる気を見せています。そのためには来季も残留する必要がありますが、大きなケガをしない体調管理術に周囲は脱帽で、球団幹部は『50歳までやれる』と話している。選手寿命を延ばすために、連投しない中継ぎとして待機し、たまにローテの谷間で先発するプランもあるといいます」(前出・ドラ番記者)
中日には他にも和田一浩(40)、山崎武司(44)といったベテラン勢がそろうが、中でも2000本安打まであと31本と迫った、谷繁元信(42)に注目が集まる。
「それでも谷繁が危惧しているのは、自身の記録よりも捕手の後釜がいないということなんです。実は膝と腰の状態が満身創痍という現状もあるので、親しい人間には『できることならいいところで引きたいが、まだやらなきゃいけないだろう』とこぼしていますね」(球団関係者)
さすがは、投手王国を支えてきたチームの要である。