最も窮地に追い込まれているのが巨人・小笠原道大(39)だろう。
昨オフの契約更改では、NPB史上最大となる、推定年俸4億3000万円から7000万円への大減俸を飲んで残留している。
「小笠原は下交渉の段階から、『自由契約で移籍先を探してもいい。でも、残るならこの額』というような形で、屈辱的な契約を提示されたといいます。それでも、昨季の夏頃にはDeNAが興味を持っているとの情報があって、よそで巨人を見返そうと思っていたようです。ところが、力を見切られたようで獲得球団は現れなかった。結果、『契約してくれるだけでありがたい』との卑屈な言葉を口にしていた」(前出・球界関係者)
キャンプも二軍スタートとなったが、07~09年の巨人3連覇の立て役者は周囲から浮いているという。
「黙々と練習しているのですが、1人暗い顔でベンチにいたりして、若手は声をかけることもできず、まるで腫れ物扱い。飲食店で若手と鉢合わせた際も、小笠原が『こっち来いよ』と誘ってくれているのに、その若手が『大丈夫です』と断ったといいます。いたたまれない雰囲気なのでしょう」(巨人番記者)
とはいえ、小笠原のフルスイングが全ての雑音を吹き飛ばしてくれることを期待したい。
全17人いる「アイアン40代」のキャンプには、いずれも逆境をはねのけるド根性パワーを感じる。前出・橋本氏が言う。
「現役の40代選手たちは、若いうちから自身のメンテナンスに関して投資をしてきた。では同様にすれば、今の若手が40代まで活躍できるかといえば疑問です。今の練習は量を減らし、質を高めるという傾向がある。もちろんケガを減らし、効率的に鍛えるためにはそれがベストでしょう。でも根性論の時代に、1000本ノックとか100メートルダッシュ100本とかをこなしていた世代には、圧倒的な精神力のバックボーンがあると思うんですよね」
まさに鉄人。40代選手たちのキャンプは打ち切り知らずで続くのである。