「ベンチ裏“秘”ガイド」とはいえ、やや横道にそれてしまったので話をグラウンドに戻そう。
先の日ハムでは、開幕から投手として苦しんでいる大谷翔平(21)の出来が、この交流戦でチーム浮沈の鍵を握ることになるはずだ。
「今季はフォークの制球が著しく悪いから、ランナーを背負ったらフォークで勝負できず、ストレートを狙い打たれている。ストレート待ちでもスライダーはカットできるため、今季は主要な武器がフォークしかなかったことを露呈しているんです。ロッテが示した、この攻略法で西武、ソフトバンクも大谷を打ち込んでおり、交流戦ではセのチームも、その弱点を狙ってくるでしょうね」(パ・リーグ関係者)
対照的に、DeNAのラミレス監督(41)は明るい表情を見せている。ケガで出遅れていた主力の梶谷隆幸(27)が5月上旬に一軍復帰を果たして以来、チームは上昇ムード。12球団トップの防御率を誇る(5月26日現在、以下同)投手陣を擁し、ラミレス監督は交流戦にもかなり自信を見せているようだ。
「昨年の交流戦で中畑DeNAが最下位に沈み、急失速したことをラミレス監督は意識している。だから、オフレコながら一部記者の前で『最下位を繰り返すほど私は無能ではない』と交流戦を前に自信ありげに口走っていたのです。しかも『我々は交流戦でもどんどん白星を積み重ねる。そして、このチームを“弱い”と思い込んでいた人たちを驚かせるつもりだ』とまで、つぶやいていました。開幕直後の低迷で一斉に猛バッシングを受けたことが、よほど腹に据えかねているようです」(DeNA担当記者)
DeNA同様に開幕前は下馬評が低かった中日も、ここまでは首位争いにも加わり、健闘を続けている。指揮官就任2年目で、今季から専任となった谷繁元信監督(45)の手腕も評価を集めつつあるが、これに球団内部からイチャモンを付けている有力幹部がただ1人だけいるという。他ならぬ落合博満GM(62)だ。
「GMが谷繁監督の悪口を陰で周囲に吹聴しているんですよ。それまで距離を置いていたはずの中日新聞や地元メディアの記者に急接近。そこで『あんなところで普通(一塁走者を)走らせるか?』とか『今年はビシエド(27)を獲得してカネをはたいたから、たまたま勝てているだけ。もっと独走できなきゃおかしい』『無能であることが確信に変わりつつある』などと谷繁批判のオンパレードなんだそうです」(名古屋の地元メディア関係者)
昨季夏頃から落合GMと谷繁監督の関係は、チーム編成を巡って急速に悪化していると言われている。とはいえ、チームが勝てば編成トップの落合GMの功績にもつながるはずだ。それだけに同GMから飛び出す監督批判は理解に苦しむ一面があるものの、そこにはこんな思惑があるとも。
「今年は球団創設80周年なので、その絶妙のタイミングでチャンピオンフラッグを手にすることができれば、谷繁監督の発言権が増大するのは間違いない。それこそ犬猿の仲のGMが要職を追われる事態にもなりかねません。危機感を覚えたGMは、ジワジワと我々地元メディアに谷繁に対するイメージ作りを展開しているようです。特に親会社の中日新聞の人間にそれが伝われば『谷繁無能説』がフロントにも浸透するという計算なのでしょう」(前出・地元メディア関係者)