ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)の最終回が3月10日に放送され、日曜ドラマ枠で最高となる視聴率15.4%で有終の美を飾った。
その最終回では、水泳部のエース・景山澪奈(上白石萌歌)が飛び降り自死を図った現場に、学級委員長の茅野さくら(永野芽郁)も居合わせ、必死に手をつかむも力尽きてしまった場面を回想。その茅野が今度は学校の屋上から飛び降りた美術教師・柊一颯(菅田将暉)の手をつかみ、クラスメートの助けを得て無事に救い出すシーンが描かれた。
それらのシーンでは自死という重い場面に、永野の真に迫った演技がリアリティを与え、陳腐になりかねない物語に説得力を与えることに成功。これで永野はますます若手女優としてのステータスを上げたに違いない。だが、その当たり役を演じた「3年A組」が永野にとって今後、女優人生における「足かせ」になりかねないというのだ。テレビ誌のライターが指摘する。
「19歳の永野は高校を卒業したばかりで、今回の女子高生役も無理なく演じていました。そしてマユ毛で切りそろえた前髪に、少しだけ内側に巻いたミディアムボブといういかにも女子高生らしい髪型が最高に似合っていたのです。それゆえ今回演じた学級委員長の役が彼女のパブリックイメージになりかねず、これから大人の女性に脱皮していくはずの永野を、いつまでも“女子高生役”という型にハメてしまいかねないのです」
そういった危機感はおそらく、永野自身も感じているはず。この1月クールには「3年A組」の番宣に出まくっていた彼女が、ここにきて方向転換しているという。
「3月5日放送の『うちのガヤがすみません!』(日テレ系)にゲスト出演した際には、同じ局で放送中の『3年A組』にはほとんど触れず、3月15日公開の主演映画『君は月夜に光り輝く』をアピール。もう終わってしまうドラマよりも、女優としてはこれからの作品に注目してほしいのは当然でしょう。その意味では『3年A組』の呪縛に捉えられているのは永野ではなく、視聴者のほうなのかもしれません」(前出・テレビ誌ライター)
いずれにせよ、永野が“茅野さくら”に見えてしまうということは、彼女が女優として役に深く入り込んでいたことの証拠だと言えそうだ。
(金田麻有)