中距離戦でのGIの必要性からレース名を改め、GIIから昇格となって3年目になる大阪杯。これまでの勝ち馬を見ても04年ネオユニヴァース、07年メイショウサムソン、08年ダイワスカーレット、09年ドリームジャーニー、13年オルフェーヴル、14年キズナ、17年キタサンブラックと、そうそうたる名が並ぶが、今回の顔ぶれもなかなかの豪華版。見応え満点の一戦になること請け合いだ。
アルアイン(皐月賞)、エポカドーロ(皐月賞)、キセキ(菊花賞)、ステルヴィオ(マイルCS)、ブラストワンピース(有馬記念)、ペルシアンナイト(マイルCS)、マカヒキ(ダービー)、ワグネリアン(ダービー)と8頭がGI勝ち馬で、それに準ずる馬(GI2着あり)が3頭出てくる。どれだけ激しく迫力あるレースになるか、まさにワクワクものである。
ならば、こうした有力どころから勝ち馬が出るとみるのが筋だろう。実際、これまでを振り返ってみても、本命サイドで決着をみることが多いからだ。
GI昇格後の2年は、ともに1番人気馬が勝っているが、このレースに馬単が導入されて以降、これまでの16年間、その馬単での万馬券は2回のみ(馬連は1回)。この間、1番人気馬は8勝(2着4回)、2番人気馬は2勝(2着2回)。1、2番人気馬のワンツーは2回と少ないものの、無謀な穴狙いは避けるべきだ。
また、以前は7、8歳馬の古豪が勝ち負けすることがまま見られたが、生きのいい4歳馬が圧倒的に強く、それに続くのが5歳馬。これからピークを迎える4歳馬、充実目覚ましい5歳馬に目を向けるのが馬券戦術の筋だろう。
狙ってみたいのは、その5歳馬。といっても、当欄は穴党。アルアイン、キセキ、ペルシアンナイトといった人気勢では、むろんない。イチオシしたいのは、スティッフェリオである。
この顔ぶれの中に入ると実績的には一枚見劣るが、ここに来ての充実ぶりは驚くばかり。目下、重賞連勝中で、前走の小倉大賞典は、休み明けで3カ月ぶりの実戦だった。やや余裕残しの体つきに見えたが、蓋を開ければ楽に好位につけ、流れに乗って“行った行った”で決まるかに見えた、前を行く2頭をあっさりと差し切ってみせたのだ。
この時、手綱を取った丸山騎手は「成長ぶりがすごい。力をつけていて、まだよくなる」と、目を丸くしていたほど。
ならば、強豪ぞろいのここに入っても、十分にやれていいのではないか。
晩成型の父、ステイゴールド譲りなのだろう。この中間の稽古内容もすばらしく、坂路で好タイムを連発。1週前の追い切りも素軽く、リズミカルで文句なしだった。
「体がたくましくなって、さらによくなっている。出来のよさで、この相手とどこまでやれるか、楽しみ」
音無調教師もこう言って目を細めるほど。仕上がり状態に関しては、まず言うことなしだ。
芝の2000メートルは、この馬にとってベストの距離。阪神とも相性がよく、【2】【5】【1】【1】着(5着は脚元に問題があったあとの休み明け)の成績を残している。
さらに血統もいい。母シリアスアティテュードは、チェヴァリーパークS(芝6ハロン)などGI2勝馬で、マウントアブ(GIフォレ賞)ほか、近親、一族に活躍馬が多くいる血筋。
多少の降雨は問題なく、晴雨にかかわらず、大きく狙ってみたい。