政治

小泉進次郎 vs TPP反対議員「青年局分断バトル」(1)オヤジの姿を投影している

「TPP交渉参加」を巡り、日米間で合意文書が作成された。残るは自民党内の反対派を納得させるだけ。反対派が多数を占めるも、賛成派の先頭には“将来の総理候補”が立っている。しかし、この議論の裏側では“男の嫉妬”も相まって、ドロドロの「暗闘劇」が繰り広げられているのだ。

 2月12日、自民党青年局長の小泉進次郎衆院議員(31)は、衆議院予算委員会で質問に立った。進次郎氏の持ち時間は50分。その終了10分前に最後の質問としてこう切り出した。

「賛否が分かれているのは承知しているが、私は速やかに(TPP)交渉に参加すべきだと思っています。(中略)総理が交渉参加を決めれば、私は必ず賛成派、反対派、一つになれると思っています。なぜなら、交渉のテーブルにつけば、その交渉の中で最大限、日本の国益を勝ち取ろうというのは賛成派、反対派、共有している思いだからです」

 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)賛成派の急先鋒として、安倍晋三総理(58)に交渉参加を強く迫った格好だ。

 しかし、それまでの質問には、議場から「いい質問だ!」と声が上がっていたが、この発言になると波を打ったように静まり返ってしまった。

 その静寂は、党内の賛成派と反対派の溝の深さを物語るものだ。

 審議の最中に、自民党政調会の事務方は色めき立っていたという。

「議論が深まる前に、どこでどうなったらあんな発言が出るんだ」

 進次郎氏の発言はあまりに時期尚早だというのだ。2月23日の日米首脳会談を待って安倍総理は決断するとしていただけに、「即断即決」なる言葉まで使ったことは、この時点では“勇み足”だというわけだ。

 自民党の政権公約は「『聖域なき関税撤廃』を前提としているかぎり、交渉には参加しない」である。全ての分野での関税が撤廃される形でTPPが締結されれば、特に日本の農業は壊滅的打撃を受けるとさえ言われている。

 そのため、自民党議員の約6割に当たる203人が反対しているのが現状だ。当然、反対派の議員はおもしろくない。

 当選4回の自民党中堅議員は、進次郎氏の発言をこう斬って捨てた。

「まだ党内では議論を尽くしていない。進次郎氏はオヤジの姿を投影しているだけではないのか。だとしたら、それは幻想だ。確かにオヤジは郵政民営化を貫き、一部の離党者を出したが、今も自民党は“一つに”まとまっている。しかし、それは総理の立場からの決断だった。TPP交渉への参加をすぐにでもとは、2回生議員の立場をわきまえない勘違いとしか言いようがない」

 まさに当選回数至上主義の「古い自民党の体質」である。進次郎氏が戦う相手は「反TPP議員」だけではないのだ。

 そうした旧態依然とした自民党内の重鎮からも「変人だったオヤジとは正反対だ」と、党務を実直にこなす進次郎氏は好評価を得てきた。

 ところが冒頭の進次郎氏の発言は、重鎮たちからの評価も変える潮目となってしまったようだ。

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