交換殺人をテーマに毎回、誰かが犠牲者になるサスペンスドラマ「あなたの番です」(日本テレビ系)の第4話が5月5日に放送。前回から0.7ポイント上昇の視聴率7.1%となり、第1話からの下落トレンドに終止符を打った。
ただ、この日はGW10連休で最後の日曜日。在宅率の高さが視聴率に貢献したとの見方もあり、この調子で視聴率を回復できるかはまだ楽観視できない状況だ。そんな「あなたの番です」を巡り、2クール(半年間)にわたる放送期間にあらためて危惧を覚える視聴者が少なくないというのだ。テレビ誌のライターがささやく。
「本作では『毎週、死にます。』をキャッチフレーズとしていることから、管理人を含めて32人しかいないマンションでどうやって毎回のように犠牲者を出すのかが危惧されていました。その心配は早くも第2話で、403号室に住む整形外科医(片桐仁)の恋敵だった医師がバラバラ死体で見つかったことにより払拭されましたが、今度は別の点を心配する視聴者が増えてきているのです」
第3話では203号室に住む中国人留学生(金澤美穂)がアルバイトしているブータン料理店の店長がガス爆発で死亡。そして第4話では、姑にいびられていた502号室の妻とその夫が首を切られて自室で殺された。
さらには401号室の怪しげな一人暮らし女性が住民のゴミを漁っていたり、結婚間際の恋人と同居するヒロイン(原田知世)に別の夫がいることが判明するなど、明らかに情報量過多。視聴者からは「出演者が多すぎて覚えられない」と困惑の声もあがっている有様だ。
「今のところ1~4話の殺人が誰によりどう実行されたのかはまだ明かされていません。しかもマンション住人の中にはいまだに正体不明の人物も少なくない。その状況でヒロインが複雑な背景を抱えていることまで示唆され、あまりにも伏線が多すぎるのです。これがはたして全部ちゃんと回収されるのか。回収漏れがあっても視聴者が納得できるエンディングを迎えられるのならいいのですが、最悪の場合、アメリカドラマのような尻切れトンボになる恐れもぬぐい切れないですね」(前出・テレビ誌ライター)
アメリカのドラマは視聴率が良ければ何シーズンも新作が制作される一方で、不振の場合は何ら伏線を回収することなく唐突に最終回を迎えるのが定番。12年に放送された「アルカトラズ」では半年間続くはずのドラマがたった13話で終了し、最終回には主人公の女性警官が過去からきた自分の祖父に刺殺されるシーンで幕を閉じた。
放送中の「あなたの番です」でも何ら謎が解かれないままに、視聴者に向けて〈あなたの番です〉と結末を丸投げする形にだけはならないよう、お願いしたいものだ。
(金田麻有)