5月24日公開の映画「空母いぶき」で首相役を演じている佐藤浩市の発言をきっかけに始まった「佐藤は三流役者なのか」論争だ。あらためて、その経緯を振り返っておくと、かわぐちかいじ氏による同名原作漫画が連載されている5月10日発売「ビッグコミック」には、佐藤のインタビューを掲載。その中で佐藤は首相役をやりたくなかった理由を〈体制側の立場を演じることに対する抵抗感が、まだ僕らの世代の役者には残っているんですね〉と前置きし、そのうえで自分なりに作り出した首相像を常備薬を手放せない〈ストレスに弱く、すぐにお腹を下す設定にしてもらったんです〉と説明。
この発言に対し作家の百田尚樹氏が〈三流役者が、えらそうに!! 何がぼくらの世代では、だ。人殺しの役も、変態の役も、見事に演じるのが役者だろうが!〉とツイッターに投稿。今度は百田の発言に対し、ラサール石井や黒沢年男、お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔らがツイッター上で持論を展開する騒ぎへと発展したのだ。
「さらに現在では、映画で自衛隊のアルバトロス隊隊長を演じる市原隼人が映画公式ホームページに寄せているコメントに注目が集まっているようです。市原はこの作品に出会えたことを誇りに思うと言い、さらに『改めて自分の中の大和魂、愛国心が掻き立てられました』(原文ママ)と締めくくっているんです。ネット上では『市原のこの発言なら百田尚樹もお喜びなのでは』『佐藤のような役者もいれば、市原のような役者もいることが健全でしょう』といった声があがっているようです」(女性誌記者)
賛否両論言い合える社会であることこそ健全なのは、言うまでもないだろう。