悲願の選抜入りは叶うことはなかったが、ファン全員がその頑張りを称えた。
乃木坂46の伊藤かりんが5月24日、横浜アリーナで行われた同グループのアンダー(非選抜)メンバーによるライブ『乃木坂46 23rdシングル「Sing Out!」発売記念 -アンダーライブ-』に出演。本公演をもって、グループを卒業した。伊藤は13年3月に2期生オーディションに合格。約6年の活動にこの日でピリオドが打たれるとあって、同期の伊藤純奈と歌唱したしっとりとしたバラード曲「釣り堀」では、ハーモニーを響かせるも、歌いながら涙を流す一幕も見られていた。
アンコールでは言い残すことがないようにと自身の思いをまとめた手紙を読み上げ、両親、スタッフ、メンバー、ファンとそれぞれに対しての感謝の思いを伝えている。ファンに向けてのメッセージの中には「私は結局、選抜には、一度も選ばれませんでした。選抜だけにこだわらないという姿勢でやってきたけど、確かに、選抜に入ることができていたら、世界は広がって、まだ知らないすてきな未来があったかもしれません」と、選抜メンバーに選ばれることがなかった「無念」を口にする場面も。
しかし、「自分が通ってきた道に何の悔いもないし、自分をかわいそうだとも思いません。自分のアイドル人生を誇りに思っています」と、自身が引っ張るアンダーライブを地元である横浜市で開催でき、それが自身のラストステージとなることを心から喜び、グループを去っていた。
伊藤に対してはファンからも「もっと評価されてもいいメンバーだったと思う」「ライブでは欠かせない存在だし、その存在に助けられたメンバーも多かったはず」「なぜ選抜に入ることができなかったのかが謎すぎる」など、伊藤がグループに残した功績を称える声ばかりが目立っている。
「もともと伊藤は、乃木坂のライブにも足を運び、一期生メンバーの高山一実の握手会に頻繁に顔を出す熱心な乃木坂ファン。そのため、ファン心理をしっかり理解しているメンバーということで知られていて、ライブ上の注意点や盛り上げどころなどをブログに伝えるなど、ファンからも感謝される存在だったことでしょう。また、ライブのMCパートでは仕切り役を任されるほど、リーダーシップがあり、アンダーのまとめ役というポジションを担っていました。残念ながら選抜入りの悲願は果たすことはできなかったものの、伊藤がグループを陰で支える縁の下の力持ちであったことは間違いありません。伊藤の卒業とともにアンダーライブの質の低下を心配する声も上がるほどですから、立派にグループでの役割を果たしたといっていいでしょう」(アイドル誌ライター)
自分のためというよりはグループのために全力を尽くしたアイドル人生を送った伊藤。第2の人生も素晴らしい未来が待っているはずだ。
(石田安竹)