法律違反の薬物所持の疑いで逮捕されたピエール瀧被告の初公判が6月5日、東京地裁で行われた。罪状認否で薬物の使用を認めた瀧被告は、ファンに謝罪したうえで「音楽を作るのはこれからもやっていきたい」と語り、「二度と薬物に手を出さないことを誓います」と思いを新たにしていた。
そんな瀧被告の発言を巡り、一部の音楽業界関係者やアマチュアミュージシャンからは「本当にそんなことを言ったのか!?」と驚きの声があがっているという。音楽ライターがささやく。
「裁判長から職業を問われた瀧被告は『ミュージシャンをやっていましたが、事務所を解雇され無職です』と答えていました。この発言に対して〈〈ミュージシャンかどうかは事務所との契約には関係ないだろう〉〉とか、〈〈アマチュアは全員、ミュージシャンじゃないってこと?〉〉といった驚きと反発の声が出ているのです」
瀧被告の発言は「ミュージシャンとは何なのか」という、音楽に関わる者たちが昔から抱いている疑問に対するひとつの答えとして、大きな注目を浴びているようだ。では、瀧被告はどんな思いで、こう発言したのだろうか。音楽ライターが続ける。
「音楽業界ではこの発言に理解を示す人が少なくありません。なぜなら彼はあくまで職業を問われて答えたのであって、ミュージシャンという生き方まで自己否定したわけではないからです。瀧被告の発言を他の業界に例えれば、契約の切れた元プロ野球選手が『現在は無職』というのと同じこと。しかも音楽業界は、ミソギを済ませたら『職業:ミュージシャン』に戻れる世界です。彼自身はこれからも音楽を作りたいと明言していますし、ファンとしては早いところ“無職”を脱するように、彼の活動を応援してほしいですね」
音楽業界では薬物事件から復帰した例は珍しくない。瀧被告の復活を心待ちにするファンは数多いことだろう。
(金田麻有)