「副業」で「大人のサービス業」という発想が最近、巷で急速に聞かれるようになってきているという。主に若いOLや時には現役の女子大生が、副業で「服を脱ぎ大人のサービスを男性客にほどこす」世界に飛び込んでいるというのだ。
もちろん、「本業」「学業」と「大人のサービス店で働くこと」を兼務する女性は昔から数多くいた。しかし、当時とは少し事情が異なる。「奨学金の返済が厳しいため」といった切実な事情に駆り立てられているという。
「昔に比べて、奨学金を返済する負担は格段に増えています。日本学生支援機構によれば、奨学金は学生の2.7人に一人は利用しているそうです。多い人は、約400万円。無利子のものと低金利の両方がありますが、40代前半まで続くかもしれない長期ローンとなります。一刻も早く返したいとの思いと、会社から派遣契約をいつ切られるかわからないといった不安が、若い女性を『服を脱ぐ世界』に向かわせている形です」(社会部記者)
彼女たちを迎え入れる側の大人のサービス業界も変わりつつある。今年5月、ナイトレジャー業界大手数社が初めて東京都内で100人規模の合同会社説明会を開催。サービスを提供する女性ではなく、正社員スタッフを採用する企業の説明会だったが、「業界に対するイメージアップの一環もかねて」(関係者)開かれたものだという。その内容は、最初の約2時間は各社が業界に関する説明をし、その後、各社が設けたブースで個別に話を聞くといったものだった。正社員スタッフ志望の女性にも大いに来場してほしい旨を開催側はアナウンスしていたが、主に転職先を探している男性が多く集まったそうだ。これまであまりオープンになっていなかった業界の「見える化」も、そこでサービスする女性にとって抵抗感を減らす一助となっているのかもしれない。
また、経済評論家の門倉貴史氏の著書『「夜のオンナ」はいくら稼ぐか?』によれば、大人の夜のサービス業界の年間売上額は約7兆6000万円で、コンビニ業界とほぼ同額だという。業界がアングラなイメージを払拭しようとしているのと同時に、若い女性たちがそこに働くことに抵抗がなくなっている理由には、業界の「福利厚生の良さ」があるともいう。女性が抱えている問題、つまり、慢性的な不足状態にある保育園・託児所問題、給与の前借り、借金などの相談にも親身に乗ってくれるからだそうだ。
「女性を集められなければ、成り立たない業界です。お金の相談にも乗ってあげれば、仕事にも責任を持って取り組んでもらえます」(前出・関係者)
言うまでもなく、大人の夜のサービス業は、短時間でお金が稼げる業界だ。個人差や業種によって異なるが、月5~10日、派遣先の会社からアルバイト先の大人の夜のサービス店に行き、3、4時間働けば、月収として「プラス約8万円」は見込めるそうだ。「誰かにバレたら」の不安とリスクはもちろんある。しかし、奨学金返済問題や待機児童問題はいまだ解決する気配がないのも実情だ。
同様の理由で、「副業」で「艶DVD出演」に足を踏み入れるOLや学生も増え始めてもいるという。こちらは顔出しナシの企画ものの出演で、日当約3~5万円だとか。もしかしたら、副業を緩和する内容も含んでいる「働き方改革」は、こうした流れをより加速させるかもしれない。
(写真はイメージ)