近年の「メダカブーム」はまだまだ失速する気配がない。安価で購入したメダカを飼育し、高値で販売する…という手軽な「副業」が一般に広がっているというやつだ。それが今、新たな展開を見せている。
メダカ販売を行う人が激増しているというのだが、それは飼育するメダカが増えすぎているせい。オークションサイトやフリマアプリなどで出回るメダカには改良種も増え、それらは平均して1~5万円という落札額。「趣味が高じてメダカ専門店を開き、1年で年収2000万円になった」というニュースもあとを絶たない。
木村拓哉が光る種類のメダカ(種名:幹之)を飼っていることでもブームは過熱したが、そんなメダカは一時期、絶滅の危機に陥ったものの、今では川でも採れるという。島根県の漁師H氏は、川でのメダカ採取が趣味だという。
「メダカが活発化してくるのは、今頃から秋までです。海とは違って浅瀬で採取できるので、買うなんてもってのほか。川の流れを石でとめて、その中を探せばいいんですから。ちなみに暖かくなる5~6月あたりから、メスは毎日、卵を100個ほど産むし、どんどん増えていきます。熱帯魚屋さんで売っている、キムタクの光るキラキラ種と一緒に、川で泳いでいる野生のメダカを交配させたら、新種が生まれるかもしれません。わざわざオークションで高いメダカなんて買うのはもったいない」
ただし、注意が必要な点もある。3月8日までに、メダカ愛好家や販売業者ら5人が逮捕される事件が起きたのだ。容疑はカルタヘナ法違反。いったいこれは何か。社会部記者が解説する。
「カルタヘナ法は、遺伝子組み換え生物の使用を規制する法律です。逮捕者は遺伝子を組み換えて、体が赤色に発光するメダカを、国の承認を受けずに育成しました。大学の研究所から卵が持ち出されたのが原因だということです。1匹10万円で販売されたこともあったといいます」
未承認のまま遺伝子を組み換えてまで新種を生み出そうというのは、いささかいきすぎだが、合法であれば「キムタクのキラキラ種×野生」なんて魅力的に違いない。