吉本興業の幹部と対立し、“加藤の乱”の渦中にあるお笑い芸人の加藤浩次が8月13日、バラエティ番組「ウチのガヤがすみません!」(日本テレビ系)に出演。鼻フック対決や50万ボルトビリビリ体験など、体を張った芸に挑戦してみせた。
その加藤はかねてから“狂犬”キャラで知られており、バラエティ番組ではアイドルの頭に蹴りを入れるといった放送事故すれすれの振る舞いも数多い。この日もこれが三度目となる相撲対決を挑んできたふなっしーの挑戦を受け、ふなっしーの頭部からヘタをもぎ取るという荒業を繰り出して勝利。50歳になっても衰えない狂犬ぶりを示していたが、一方でその振る舞いに対して批判の声も飛んでいたというのだ。テレビ誌ライターがささやく。
「加藤の狂犬キャラは、なにかと大人しくなっている芸人の中に、一人くらい跳ねっ返りがいてもおもしろいというコンセンサスで成立していたはず。しかしこの日の加藤は、共演したよゐこ・濱口優に対してやたらと先輩風を吹かしたり、スタジオのガヤ芸人たちを『おい若いの!』とアオったり、先輩という立場を利用するシーンが目立ちました。その姿は、幹部という立場で所属芸人たちにパワハラまがいの言葉を投げかけていた吉本経営陣の姿に重なっており、自分が否定したはずの《傲慢さ》や《尊大さ》を自ら体現する形となっていたのです」
女芸人が怒りの告発をするコーナーでは、女芸人トリオ「3時のヒロイン」のゆめっちが、先輩芸人から胸を揉まれるといったハラスメントを受けていると告白。しかし加藤は、かなりボリューム感あふれたゆめっちのビジュアルをネタに「感情移入することができない」と切り捨てていた。これも世間的には立派なハラスメントなのは明らかだ。
「一方で慶大卒の美人芸人・わたあめりなが吉本入りしたキッカケとして《吉本のおじさんに『入りたい』って言ったら入れてもらいました》と告白したところ、加藤は『そんなのあんのかい?』と怒気を含んだ声で呆れていました。しかし芸能事務所では、有望な新人を幹部が一本釣りで所属させるのはごく普通のこと。わたあめりなの場合、冗談で言ったのかどうか真相はともかく、彼女のように芸人として類まれなルックスの持ち主なら、他の事務所に取られる前に特別枠扱いで所属させるのはむしろ当然のことでしょう。そんな加藤は片や太めの女芸人をディスり、片や美人芸人の特別扱いをディスるなど、《吉本幹部の暴政に対して立ち上がった正義の芸人》とは大きく異なる姿を露呈してしまったのです」(前出・テレビ誌ライター)
吉本幹部に向かって正面から物を言う芸人が少ない中、“加藤の乱”は彼の狂犬キャラが真正面から発揮されたとして高い評価を受けていたはず。その狂犬ぶりは決して、ハラスメントまがいの発言に収束するべきではないはずだ。
(金田麻有)