大相撲・十両力士の貴ノ富士(千賀ノ浦部屋)が、付け人の序二段力士に暴力を振るったことが明らかとなり、9月8日から始まる秋場所を休場することになったと、日本相撲協会が発表したのは9月3日。
貴ノ富士の暴力が起きたのは8月31日で、暴力を受けた付け人の力士は9月2日朝から姿を消し、同日深夜には師匠の千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)が、貴ノ富士の暴力があったことを把握した模様だ。
「貴ノ富士は貴乃花部屋所属で貴公俊という四股名だった昨年春場所8日目にも、付け人力士への暴力問題を起こして翌9日目から休場、夏場所は出場停止となっています。幕下下位まで番付を落とし、今年春場所に1年ぶりに十両復帰。幕下に落ちた翌夏場所は幕下優勝を決め、再度十両に復帰した名古屋場所では11勝4敗と大きく勝ち越して今月の秋場所は十両5枚目まで上がっており、成績によっては幕内に上がることも期待されていました」(相撲記者)
かつての師匠だった元貴乃花親方は、一昨年11月に明るみになった、元横綱・日馬富士による、弟子の元幕内・貴ノ岩への暴力問題が発端となり、協会と対立関係に。
「元貴乃花親方が力士の暴力に対し、厳しい姿勢で臨んでいた最中に、今度は自身の弟子が暴力問題を起こしたのですから、親方の立場は大きく揺らいでしまいました。結局、元貴乃花親方は昨年秋場所後に相撲協会を退職しましたが、それには、貴公俊(貴ノ富士)の暴力問題が大きく影響を及ぼしたのは間違いありません。貴乃花部屋所属力士は千賀ノ浦部屋へ移籍し、貴公俊は今年春場所から四股名を貴ノ富士に改め、いよいよ幕内をうかがうところまで上ってきただけに、2度目の不祥事は残念でなりませんね」(前出・相撲記者)
相撲ファンからも「昨年の暴力問題で幕下に落ち、貴乃花親方も退職に追い込まれてるのに、何でまた…」「この人の暴力は治らないのかもしれないな」「将来は大関・横綱も狙える大器だったのに。もったいない」「双子の弟の貴源治がかわいそう。肩身狭いだろうな」「2度目だからな、解雇しかないだろう」といった意見が上がっている。
「協会は昨年10月に『暴力決別宣言』を発表し、暴力には厳罰をもって対処する方針を固めています。それだけに貴ノ富士の2度目の暴力には協会幹部もカンカン。9月6日までに、日本相撲協会のコンプライアンス委員会が関係者の聞き取り調査を開始していますが、調査の結果次第では出場停止は複数場所に及び、最悪解雇の可能性も囁かれています」(前出・相撲記者)
将来を嘱望されていた元・愛弟子の窮地に、元貴乃花親方は何を思うのだろうか。
(石見剣)