元横綱の日馬富士は引退会見で「礼儀」と「礼節」の大切さを説いたが、それは極道社会も変わらない。暴行事件を火種に「貴乃花vs白鵬」の一大抗争が勃発しつつある最中、緊急アンケートを実施。はたして本当に悪いのは──。現役ヤクザが「土俵外バトル」を待ったなしでブッタ斬る!
「ヤクザ社会でも相撲の話題で持ちきりです。刑務所における不動の視聴率ナンバーワンは相撲ですし、そもそもヤクザと相撲の世界には共通点が多い。どちらも部屋住みからスタートのピラミッド社会で、学歴を問わず、実力さえあれば金と地位を手にできる。その角界で“一大抗争”が起きたとなれば、無関心ではいられませんよ」
こう語るのは、これまで数多くのヤクザ取材を手がけ、近著に「新宿歌舞伎町 悪漢(ヤカラ)のアウトサイダーズ・エシックス」がある作家の影野臣直氏だ。
今回の暴行事件は、現役ヤクザたちにとっても他人事とは思えないようだ。元横綱・日馬富士(33)が貴ノ岩(27)を殴った引き金とされる「スマホいじり」について、指定暴力団三次団体組員はこう言及する。
「親分から説教されている最中にスマホなんかいじれば、半殺しにされて当然です。ところが、最近の若い衆は、ちょっと叱っただけで『脅された』などと警察に駆け込みますからね。近年、こうした案件で逮捕されているヤクザはあとを絶ちませんし、日馬富士が気の毒でなりませんね」
何より礼節を重んじる極道社会においても「鉄拳制裁禁止」のお触れを出す組が増えているそうだが、それでも「つい手が出てしまう」のがヤクザの習性だ。「日馬富士の気持ちはよくわかる」としながらも、老舗団体幹部はその「凶器」について苦言を呈する。
「カラオケのリモコンで殴ったそうですが、あれは見た目以上に頑丈なうえに重量があるのでかなり危険。当たりどころが悪くて集中治療室行きになったヤツもいるくらいですから。逆に、『シャンパンボトルが手から滑り落ちた』という証言もありましたが、これならベストでしたね。めちゃくちゃ硬いビール瓶と違い、こちらは簡単に割れて見た目が派手に吹っ飛ぶ割にはあまり致命傷にはならない。『ヤキ』にはピッタリなんです」
やはり酒席での「取組」となるとヤクザのほうが一枚も二枚も上手のようだ。
「報道どおりに貴ノ岩に説教を始めたのが白鵬(32)だったのなら、日馬富士の引退は当然の決断でしょう。もし日馬富士がズルズルと現役を続けていたら、いわば“モンゴル会の会長”である白鵬に使用者責任が及ぶ可能性も否めませんから。でも、本当に残念ですよ。この流れから数カ月後に日馬富士と貴ノ岩の取組が実現していたらと思うと、ワクワクするじゃないですか(笑)」(前出・老舗団体幹部)
ヤクザたちの血のたぎりが伝わってくる。