9月8日の最終回が異例とも呼べる19.4%の視聴率を記録し、SNSを中心に“あな番現象”を巻き起こしたのが「あなたの番です」(日本テレビ系)だ。
「2クールという近年では珍しい放映回数でしたが、前半はなかなか視聴率が上がらず、先行きが不安視されていました。それがハネたのは、ヒロインの原田知世が死ぬという予想外の展開を見せた前半終了のあたりからです」(テレビ誌編集者)
一方、鳴り物入りで始まった深田恭子主演の「ルパンの娘」(フジテレビ系)は、初回の8.2%から一向に上がらず、8月29日の第8話も5.7%と苦戦している。ところが、それでも関係者の表情は明るいという。
「リアルタイム視聴率こそ1ケタのままですが、実はタイムシフト視聴率(番組録画を1週間以内に視聴)はリアルタイムを上回り、実質は20%に届く勢い。さらに動画配信サービスの『FOD』では、視聴数が100万回を軽く超えています」(前出・テレビ誌編集者)
さらにここへきて「あな番」と同じくSNSのトレンド指数も急上昇。その効果を肌で感じてか、第8話では「ネット狙い?」としか思えないほど、小ネタを随所にちりばめている。
「深キョンは『Lの一族』と呼ばれる泥棒一家の長女役ですが、この日は一家全員が滑走路を横一列に歩く『Gメン’75』のパロディに始まり、父親役の渡部篤郎は『トラック野郎』の衣装とポーズ。母親役の小野真珠は、自身の代表作『牡丹と薔薇』から、あの『役立たずのブタ』の名セリフが飛び出しました」(放送作家)
さらに「幸福の黄色いハンカチ」や「一杯のかけそば」、そして「ホームレス中学生」まで、1話の中にこれでもかと詰め込む。
「極めつきは祖母役のどんぐりが、白塗りの貴婦人姿に扮したこと。これは実在した『横浜メリー』という人物のパロディで、役名も『大阪ジェーン』と寄せてきた。いったい、何人が元ネタをわかったのかと思いましたが、ネット上は過去最大の論争となっていたから、もくろみは大当たりでした」(前出・放送作家)
最終回に向けて奇跡は起こるのか?