子宮頸癌の肺転移で、厳しい闘病生活中であった坂井泉水さん。だが、直接の死因は、非常階段代わりのスロープの2階部分からの転落による脳挫傷だった。
スロープには、もちろん柵、手すりがあり、その高さは約1メートル。乗り越えようとする意志がない限り、転落することはないわけだが…。
「あの場所からは、病院の駐車場脇に植え込まれている緑がよく見える。何より、一本道路を挟んで向こうは神宮の森です。前日の大雨がすっかり上がり、当日朝の空は晴れ渡り、空気が澄みきっていて木々の緑は鮮やかに輝いていたはずで、その眺めを坂井さんは楽しんでいたのではないでしょうか。坂井さんは、容体が安定し敷地内を散歩できる状態になると、毎朝、空気の清々しいうちに眺めのいいあの場所へ行き、軽いストレッチ運動をしたり、時には手すりに腰掛けて景色を眺めていたという目撃情報も多数ありました。あのスロープがある場所は、一般の外来患者はもちろん、見舞客や入院患者もまず来ることのない、入院病棟の最も奥に位置します。病院内で目立って周囲に迷惑をかけたくない坂井さんにとっては都合がよく、お気に入りスポットだったそうですよ」(ワイドショー関係者)
中学時代は陸上部で活躍したという坂井さんである。本来の運動神経からすれば、手すりにひょいと飛び乗ることができ、決して落ちることなどなかったのだろう。「しかし、前日の雨で湿って滑りやすくなっていたこと、また、長い闘病生活で体力が落ちていたこともあり、崩れたバランスを立て直すことができないまま転落してしまった、というのが、この死の真相なのではないでしょうか」(芸能記者)
だとすれば、やはり本人にとっても悔やみきれない死だったのではなかろうか。
(露口正義)