プロ野球から代表選手たちが「侍ジャパン」として参加している、野球の世界大会「プレミア12」。開催直前まで、来年の東京五輪の前哨戦としてスポーツ紙などは一面を〈世界一を目指す〉などと派手に飾って盛り上げようと必死だった。
11月7日の台湾戦で勝利して無事1次ラウンドを3連勝した侍ジャパンは11日から日本で行われるスーパーラウンドを迎える。ただ、5日に台湾で行われた第一次ラウンド初戦は、ベネズエラの自滅で逆転勝ちしたが、一部の野球ファンだけが盛り上がっていたような状況だった。
「初戦をテレビでご覧になった方もビックリしたと思いますが、観客は少なかったですね。日本なら練習でもあの10倍は集まるでしょう。地元の台湾の試合以外はどこも同じようにガラガラで、東京ドームとZOZOマリンで行われるスーパーラウンドも、日本代表が出るであろう試合はチケットもまあまあ、さばけていると聞きましたが、日本代表が出ない試合はチケット代が約半額にもかかわらずほぼ売れていない状況です。SNS上でも『どこがプレミアなの?』という声が全国から聞こえているように、最強のはずのアメリカ代表にはほとんど有名選手がおらず、東京五輪ではVIP待遇で出場が決まっている日本代表も辞退者が続出。名ばかりの世界一決定戦です。日本中を熱くしたラグビーワールドカップの直後だけに、その落差が大きすぎることもイマイチ盛り上がっていない理由でしょう」(週刊誌ライター)
そんな盛り上がらない中でも応援しようとしていた日本のファンを大きく失望させてしまったのが、初戦のベネズエラ戦での国家斉唱のシーンだとか。
「ふだんは満員の観客の中でしかやったことない選手たちですから、ガラガラの客席を見ながらの入場シーンも適当な雰囲気でした。でも、国歌斉唱ぐらいはマジメに歌うのかなと思ったら、口がまともに動いているのは稲葉監督とベテランのソフトバンク松田選手ぐらい。よりによって、日本ハムから選ばれた近藤健介選手などは歌いもしないでニヤニヤ。これには『涙を流して歌っていたラグビー選手たちとここまで違うもの?』『誰なの?あのニヤニヤしてる選手は』『歌わなくても表情ぐらい真剣にやれ』『野球が嫌いになりそう』『歌ってるの監督だけじゃん』『坂本もキャプテンならもっと手本になってほしい』『ラグビーは外国人も歌っていたのに爪の垢でも煎じて飲めとはこういうことですね』といった具合で、ラグビー日本代表と比較して不快感を表明する声もかなり多かったですね。競技が違えば選手の性格も考え方も違うとは思いますが、腐っても日本代表。ところが、侍ジャパンにはそんな雰囲気が微塵も感じ取れなかったようです」(前出・週刊誌ライター)
ラグビーW杯が、大いに盛り上がったのは、日本代表チームの選手の入場シーンや国歌斉唱シーンからも「日本のために闘う」ムードが、ふだんラグビーを見ない視聴者にも熱く伝わったからこそ。侍ジャパンも東京五輪ではマジメに国歌斉唱するのかもしれないが、「あの笑ってる選手は五輪では外してほしい」という声があったことは真剣に受け止め、ぜひともスーパーラウンドで華々しい戦果をあげていただきたいものだ。
(飯野さつき)