妖艶さに満ちた怪談は、相乗効果でより怖さも増すもの。ベッドシーン愛好家の芸人・みなみかわ氏が、妖しく濡れるオンナたちを熱く語る。
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「大きさ、形、インパクト‥‥」と、みなみかわ氏が、鼻息も荒く振り返り、生バストを全開にして登場した瞬間については「『でかい! すごい!』と思わず声を上げてしまったほど。もはや伝説と言っても過言ではありません」と明かしたのは、「忠臣蔵外伝四谷怪談」(94年、松竹)での高岡早紀(46)。
まず驚かされたのは、高岡が着物を腰まで下ろして髪を結うシーンで、推定Gカップはあろうマシュマロのような巨胸を画面いっぱいに見せた瞬間だった。みなみかわ氏によれば、映画の怖さを生胸が「食ってしまった」そうで、「怪談泣かせのシーンですね。でもこれがあるからこそ、この映画は生涯、われわれの記憶に残り続けるでしょうね」とのこと。
さらに仰天したのが、「地獄」(79年、東映)での原田美枝子(60)。公開当時は21歳にもかかわらず、山小屋の中で全身をしっとりと汗ばませて、相手役の林隆三と荒々しく交わるなど、ふんだんに濡れまくる。
「かわいくて純朴な子が突然脱ぐと、迫力満点」という巨胸に「目を奪われました」という。全体的に肉感的な日焼けしたカラダには、「『昔はこんなにすばらしい女優がいたのだなあ』と感心し、エンドロールを確認して、『え! 今ではあの上品な熟女の原田美枝子だったのか!』と驚いたものです」
原田のベッドシーンは、時を経てなお、新鮮な刺激を与えてくれるのだ。
全盛期の山口智子(55)がノー肌着で撮影に挑み、白いワンピースの隙間から可憐なピンク色のバストトップをのぞかせたことで話題となった「居酒屋ゆうれい」(94年、東宝)も、みなみかわ氏の胸を高鳴らせる。「当時はコメディドラマを中心に出演し、サバサバした女性というイメージが強かったですよね。でも、同作ではそのキャラを封印して相手役の萩原健一をいやらしく誘惑するんです」
健康的な半脱ぎ姿で、萩原のねちっこい愛撫を受けて感じるさまは、「ギャップありまくりの艶っぽさ」の真髄と言えよう。
大島渚監督のハードコア作品「愛の亡霊」(78年、東宝東和)では、大女優・吉行和子(84)が、当時40代にして初脱ぎを披露。相手役の藤竜也による強引な口戯に身をよじり、アンダーヘアを剃り上げられる。さらにバストトップをピクンと立たせる描写など、「本気絶頂」を思わせずにはいられない。全脱ぎ姿を泥だらけにして抱き合うシーンや、半脱ぎの格好で木に吊るされるシーンもある。
「どこまでも行ってしまうサービス精神と女優魂が、カッコよすぎます」
一方、これはベッドシーンと言えるのかどうか「審議が必要でしょうな」と渋い顔をするのは、「HOUSE ハウス」(77年、東宝)の池上季実子(60)だ。
「彼女が大場久美子を抱き寄せる場面で、なぜか胸元がはだけ」意外と控えめな生胸がポロッと出てしまう。「まったく必然性がないシーンですが、『控えめパイを頑張って見せてくれたんだな』と思うとソソられます」
最後にみなみかわ氏が絶賛するのは、天海祐希(52)が荒々しい岩肌の上で情念的な座位に濡れた「狗神」(01年、東宝)での艶技だ。
「とにかく神々しかった。映画のミステリアスな雰囲気にもぴったり」で、美しい背中をあらわにするほどの肌見せ度。全脱ぎにならないくらいが「ちょうどよかったです」とのことで、「いやあ、天海さんは別格の美しさですね」と感慨深げに振り返った。「艶っぽさ」があるからこそ、日本情緒あふれる怪談が映えるのである。